海藻(かいそう)でバイオ燃料問題が一挙に解決!? 東京海洋大や三菱総合研究所などが計画

2007年03月27日 19:30

バイオエタノールイメージ【Fuji Sankei Business i】によると、海藻(かいそう)を大量に養殖してバイオエタノールの原料にしようという計画が明らかになった。【東京海洋大学】【三菱総合研究所】【三菱重工業(7011)】などが参画する研究グループがまとめたもので、「日本海に1万平方キロメートルの養殖場を作り、年間2000万キロリットルのバイオエタノールを海藻から生産する」計画だという。これはガソリン1400万キロリットルに相当し、ガソリン間年間消費量の約1/4ほどにもなる。政府の計画では日本国産のバイオ燃料(バイオ燃料)の目標生産量を600万キロリットルと定めており、完全に計画が実現すれば目標に倍する生産力を得ることになる。

スポンサードリンク

この研究の具体的内容は3月26日から開催される国際学会【国際海藻シンポジウム】で東京海洋大の能登谷(のとや)正浩教授が発表し、国家プロジェクトとして推進するよう国の成長戦略方針【イノベーション25】への盛り込みを政府に働きかけるとのこと。

詳細は元記事で確認してほしいが、海藻を特殊な酵素と装置で糖に分解した上で、バイオエタノールの生産を行うという。藻には繁殖力の強い「ホンダワラ」を用い、装置を搭載した船で分解しエタノールを精製。できたエタノールをタンカーで運ぶという。この装置のメリットには、海藻の役割の一つである過剰な栄養塩を除去することもあるとのこと。つまり「燃料精製」「日本海のクリーニング」という一石二鳥効果が狙える。

なお今プロジェクトには上記企業の他に、【NEC東芝スペースシステム】【三菱電機(6503)】【IHI(7013)】【住友電気工業(5802)】【清水建設(1803)】【東亜建設工業(1885)】【関東天然瓦斯開発(1661)】が参加。民間企業以外では【海洋研究開発機構】も参加している。具体的な研究・計画内容は「国際海藻シンポジウム」での発表後に研究グループや関連会社からリリースの形で発表されるだろう。

日本は元々四方を海に囲まれている。バイオエタノールの原材料の取得可能な場所の確保という意味では、従来のバイオエタノールの原材料であるさとうきびや廃材と同等、あるいはそれ以上に日本に適したものだろう。

燃料の原材料にもなり環境にもプラスとなる生体生産物というと、士郎正宗氏の漫画『アップルシード』に登場する企業国家ポセイドンの濾過プラント技術や、同じく『ドミニオン』に登場する生体建材を思い起こさせるものがある。多少強引ではあっても自然との調和、自然の力を借りて環境の整備とエネルギーの確保の両方が行えるのなら、これぞまさに未来志向の技術であり、日本が率先して推し進めていくべきものともいえる。

具体的な研究・提案内容の公表が今から楽しみだ。

……他に、例えば今大発生して困っているという、エチゼンクラゲとかをバイオエタノールの原材料に使えませんかね?

Related Posts Plugin for WordPress, Blogger...

スポンサードリンク



 


 
(C)JGNN||このサイトについて|サイトマップ|お問い合わせ