各調査機関の市場急落レポート集と中国人民銀行の利上げと明日以降の株価動向

2007年03月18日 19:30

株式イメージ【ソニー銀行のサイト】内において、2月末の世界同時株安以降、同銀行の委託会社らが提示したレポートの一覧ページが掲載され、毎日のように更新されている(【該当ページ】)。いずれも無料で、ソニー銀行の口座が無くとも無料で閲覧できる、非常にありがたい話ではある。

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●世界同時株安に関するレポート一覧

先の2月末の世界同時株安は香港市場の急落に端を発している。中国政府はいつもの通り「知らぬ存ぜぬ」を繰り返しているがこれは「いつものこと」であり、実際には中国人民銀行が銀行に対する預金準備率を0.5%引き上げて10%にすると発表したこと、さらにA株市場においては「資本利得税」を導入するという噂が流れたことが原因とされている(他国の責に少しでも見えれば堂々と非難するくせに何たる言い草だ、と愚痴りたくなる人も多いだろう。そもそもあの国はああいうものなのだからあきらめるしかない)。

ソニー銀行のトップページ中の「ソニーバンクからのお知らせ」を見ると、最近はこのレポートページが毎日のように更新されている。更新頻度とレポート数の多さを見るにつけ、昨年の半ばに起きた株価急落の時のように、各機関も「ちょっと、どうよこれは」と感じているわけだ。

レポートは単に株安に関する言及だけではなく、それぞれの会社が得意とする分野からの説明に始まり、リートや為替、債券市場、国別でも日本国内や全世界、インド、ロシア、東欧などについてのレポートまで掲載されている。これらすべてに目を通すだけで半日はかかりそう。とはいえ、大体の骨子は「注意深く行動する必要はあるがそんなに狼狽するな」というところだろう。

●中国人民銀行の利上げと株価動向

すでにご存知の通り、「いつものこと」のように3月17日中国人民銀行は突然、商業銀行の預金基準金利を0.27%引き上げ、1年物預金金利は2.52%から2.79%に、1年物貸し出し金利は6.12%から6.39%に引き上げることを発表した。利上げは2006年4月以降3回目。投資の過熱感を覚まし、市場資金を預金にスライドさせるのが目的とのこと。

当然これは中国だけに留まらず、世界規模で「それだけ金利が高ければ証券を売って預金した方が」というモチベーションを高め、証券売り=安値傾向への動きをもたらす……と考える人が増えてくる。

ただ、前々回の利上げが行われた2006年4月27日では大幅な下落のきっかけの一つとなったが、8月19日においては株価に大きな影響は及ぼさなかった(むしろ「利上げするのでは」という噂が流れた時の方が影響が大きかった)。

2006年3月末から先日までの日経平均株価の値動き。
2006年3月末から先日までの日経平均株価の値動き。

今回の値上げに伴う影響だが、一部市場関係者からは「再び株価急落のきっかけとなるのでは」という懸念が示されている一方、「さほど影響は無いのでは」とする意見もある。確かに今回の報道を受けて「他人が考えて売りに走るから市場もマイナスに作用する。だったら最初に売って損失を最小限にとどめねば」と考え、投売りする向きもあるだろう。

正直利上げの影響がどこまで生じるのかは分からない。が、3月末決算の銘柄にとっては権利確定直前ということもある。鉄板レベルでのお堅い、優待や配当が狙える銘柄が連れ安すればそれこそ「なんだこれ安い」とばかりに拾うチャンスがくるのかもしれない。

寄り付きで成行き売りをするのが賢者の選択なのか愚者の妄動なのか、それは神のみぞ知る。ただ、サラリーマン投資家の売買動向・傾向を考えると、月曜の寄り付きと後場の開始時には、かなり大きな値動きがあるものと予想される。

もちろん、多少の安値で落ち着いて「あれだけ大騒ぎして……」とほっと胸をなでおろすことになるのが一番なのだが。

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