2007年03月02日
「不払い3割は危機的事態」総務次官語る・NHK会長「今年度支払い義務化は諦め」の姿勢へ
2007年03月02日 06:30
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【総務省】の松田事務次官は3月1日記者会見の中で、NHK受信料の支払い義務化問題に言及し、「不払い3割は危機的事態」であると懸念を示した。一方NHKの橋本元一会長は同日の定例会見の中で総務省側の受信料値下げ具体化案提示締め切りスケジュールについては「到底受け入れられない」とし、今回の通常国会に提出される予定の放送法改正案に受信料義務化が盛り込まれなくとも止む無しとの態度を示した。
菅義偉総務相は今国会に提出する放送法改正案に、NHK受信料の支払い義務を明記して法的に強制徴収できるようにした上で、この義務化に伴い2008年度から受信料を2割程度引き下げるべきだと主張し、NHK側に何度と無く申し出ている。
NHKの橋本元一会長はこれに対し1日の定例記者会見で、放送法に支払い義務を明記することについては「公平負担確保の観点から大変意義がある」とする一方で、菅総務相の要求にはこれまでの「視聴者への還元策は9月に示したい」という主張を繰り返すばかりだった。さらに総務省側が「値下げと義務化はワンセット」という姿勢を崩さないことについては「2割値下げを前提とした議論の中で、義務化の法制化が今年度は見送られるのであれば、NHK側は現在と同じように受信料公平負担と改革実現への取り組みを行っていく」と語り、放送法の改正案に受信料支払い義務が盛り込まれなくとも仕方がない考えを述べた。
一方で総務省松田隆利事務次官はやはり1日、記者会見の中で、「NHKには支払い義務化を前提とした経営改革と値下げに向けた責任ある対応が見られない。3割の視聴者が受信料を支払っていないという今の状況は公共放送としての危機的事態であり、一刻も早く経営改革などの推進の必要がある。総務省としても早急に改革を行うようNHK側に迫っていきたい」とし、NHK側のこれまでの対応を批判した。
今回のNHK会長の会見内容を読み解くと、総務省側が最後にして最大の切り札である「受信料の支払い義務化」についてですら、NHK側としては「してくれないんだったら仕方ないね。うちらはうちらのやり方で改革していくよ」という態度を示し、切り札にならないことを表明したことになる。
NHKの存在そのものは放送法によって定義され、その放送法の管轄は総務省である以上、NHKの管轄官庁は総務省と見てよい。その総務省の意見も袖に振り聞く耳を持たないような、先に報じたように担当部局の課長の首を挿げ替え、やる気になったばかりの総務省の出鼻とプライドを挫いた形になった今回のNHK側の態度に、さらに総務省側がどのような対応をするのか、気になるところではある。
もっとも今のところ「最後の切り札」であり「目の前のにんじん」でもあった「受信料義務化法案」ですらNHK側に通用しないことが分かった以上、次に何か打つ手はあるのだろうか。
「2割値下げで2008年度から受信料支払い義務化」(1月11日、菅総務相)
「もう限界だから受信料値下げは無理」(1月12日、NHK会長)
「合理化すれば値下げは可能」(1月16日、総務次官)
「今の受信料のままでは国民が許さない」(1月17日、菅総務相)
「支払いを義務化しても受信料がすぐに増えるわけではない」(1月17日、NHK経営委員長)
「状況を見極めたうえでお答えせざるを得ない」(1月17日、NHK橋本会長)
「きちんと説明できる態勢作りをしろ」(1月17日、菅総務相)
「値下げはすべきだが受信料義務化で契約者数が増えてから」(1月18日、民放連会長)
「徴収コストがかかりすぎ。抜本的な見直しをして数値目標を設定しろ」(1月26日、菅総務相)
「値下げは将来的にはしたい。でも分からない。具体的な数字は挙げられない」(1月26日、NHK橋本会長)
「料金体系の抜本的見直しを9月までにまとめる。その中で可能ならば値下げを考慮する」(1月31日、NHK橋本会長)
「受信料支払いの対象を把握するために住民基本台帳ネットワーク(住基ネット)を使いたい」(2月1日、NHK橋本会長)
「9月では遅い。もっと早く結論を出せ。住基ネットなど必要は無い。現在の住民票による調査で十分だ」(2月2日、菅総務相)
「住基ネットのデータは不必要。既存システムでやりくりしろ」(2月5日、総務省松田隆利事務次官)
(ここまでで「2割値下げと総務省は言うがその根拠を示せ」NHK側)
「2割値下げの根拠を4パターンに分けて提示した。今後さらに精査してつめていく」(2月5日、総務省)
「色々考察する必要があるので値下げができるかどうかの試算に9月までかかることは譲れない」(2月13日、NHK経営委員長)
「受信料義務化は必要だがNHKの改革とワンセット。今は全然改革が進んでいない。だから義務化には反対」(2月23日、総務省タスクチーム)
「受信料義務化のタイムリミットは3月13日。それまでにNHK側は誠意ある態度を示せ」(2月27日、菅総務相)
「(総務省がなんと言おうと)料金体系の抜本的見直しは9月末までかかる。それは譲れない」(2月27日、中川潤一理事・小林良介理事)
「放送法改正案とりまとめとNHKとの折衝役の課長を更迭」(2月28日、菅総務相・総務省)
「今年度の受信料義務化見送りも止む無し。試算にはどうしても9月までかかる」(3月1日、NHK橋本会長)
「NHKの対応は責任感がない。危機的事態を認識して一刻も早く改革すべき」(3月1日、総務省松田隆利事務次官)←現在ここ。
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