山崎製パン(2212)、不二家(2211)を傘下に・159億8752万円で株式35%分を出資し役員6人を派遣

2007年03月26日 20:30

不二家イメージ【不二家(2211)】【山崎製パン(2212)】は3月26日、不二家が第三者割当増資を行い、山崎製パンがそれを引き受けると発表した(【発表リリース、PDF】)。引き受け数は35%。159億8752万円を出資することになる(買い取り価格は1株あたり235円)。また、代表取締役1人、取締役4人、監査役を1人派遣する予定。山崎製パンは増資によって実質的に不二家を傘下におさめ、派遣役員のもと、再建を主導することになる。

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山崎製パンから不二家への資本注入は以前から話がのぼっており、また不二家側でも度重なる要請をしていたとも伝えられていたが、今回は「株主総会で定款変更などの重要議案を否認できる1/3超の株式」を取得することで、議決権上の主導権を握り、経営改革を円滑に実行できると判断したようだ。

一方不二家側にしてみれば今回の資本提携で、資金と共に山崎製パンの信用サポートを得ることで、経営の建て直しや信頼回復が軌道に乗りやすくなるとの考えがある。

なお同日不二家は【プレスリリース(PDF)】にもあるように、創業者一族の藤井正郎・藤井義郎両取締役の辞任を発表している。すでに1月には藤井林太郎前社長が引責辞任しており、これで不二家の経営陣からは創業者一族たる藤井家出身の者はいなくなったことになる。

山崎製パンから派遣される「代表取締役1人」+「取締役4人」という数は、両藤井取締役の辞任により、「代表取締役社長1人」+「取締役3人」となった現不二家への派遣数としては実に絶妙なものといえる。なぜなら、取締役会は商法上、出席した役員の過半数で議題が議決されるされるので、「山崎製パンからの派遣役員5人」「不二家に元からいた役員4人」という体制では、事実上取締役会でも「山崎製パンの意志がストレートで通りうる」ことになるからだ。

今件の正式発表は場が引けてからのものであったが、一部報道機関では事前情報として報じられており、これを受けて不二家の株価は急騰。本日の終値は前日比14円高の288円となった。

株価の急騰も、不二家の今後への期待の現われといえるだろう。不二家としては山崎製パンのサポートを受け、消費者や株主の期待を裏切らないよう、誠心誠意をもって経営改革に臨む必要があるに違いない。

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