臓器移植向け生体細胞や地震対策土壌、空飛ぶ車や軌道エレベーターも・これから10年間で発明されると嬉しいものランキング

2007年03月27日 08:00

軌道エレベーターイメージ検索エンジンgooで行われた【これから10年間で発明されると嬉しいものランキング】の結果発表が行われ、第一位には「ヒトのあらゆる臓器になる生体細胞」つまり「ES細胞」がついた。

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科学技術の進歩にとって10年間という時間の経過が長いのか短いのかは微妙なところだが、時として「十年ひとむかし」の言葉にもあるように、わずか10年で凄まじい科学技術の進歩が行われる場合もある。例えば、昨今におけるインターネットや携帯電話の高性能化や普及など、10年前の1997年にはほとんどの人が想像もつかなかったはずだ。

「数十年後にはありえるかも」という想定はしていても、この加速度的な進歩には腰を抜かしている人も多いだろうし、だからこそ「今後の10年間のうちに、今現在は夢のような話でも実現するかもしれないな」という、希望を持てるのである。

第一位の「ヒトのあらゆる臓器になる生体細胞」とは要するに「ES細胞(胚性幹細胞)」のこと。論理的には可能であるが、まだまだ生命技術のハードルは高く、人知として達するところにはないようだ。

ただ、臓器の拒否反応(本人以外の臓器を移植すると「異物が侵入した」と身体が判断して受け付けないという反応)を心配することなく、移植ができるようになるため、多くの病人にとって期待の的となっている。確かに「もっとも実現してほしいもの」ではある。

第二位の「地震の揺れを吸収する土」は当方(不破)も初めて耳にしたもの。最初は「ドラえもんのひみつどうぐにそんなものあったっけ?」と思ったが、そうではなく、東大と野村證券の共同プロジェクトが発表した本『図説 50年後の日本』の中で「考える土」として紹介されているもの。同書には他に「空中を飛ぶクルマ」「服を入れるとクリーニングするタンス」などが紹介されており、まさにドラえもんか近未来SF漫画・小説に登場する「未来都市生活」な状況が浮かんでくる。

第三位の「すぐに効くダイエット食品」は多くのダイエッターが求めて止まないものだろう。ただ、仮にこのような食品が開発されたとしても、「この食品があるのだからもっと食べて太ってもいいや」と思うようになり、かえってメタボリックな人が増えてしまうのではないかと心配するのは当方だけだろうか(笑)。

第四位の「タイムマシン」、第五位の「ワープ装置」はいずれも漫画やSFには必ずといってよいほど登場するもの。ただ、実際に判断してみると、この両者は理論の開発がまず先決するし、仮に人間が自由に使えるものとして開発されたとしたらこの世が終わってしまうので(なぜかは各自考えよう)、さすがに実現は難しい。ちなみに「粒子レベル」なら、時間を飛び越えることは可能なようだ。

第七位の「人型ロボット(メイドロボ)」は妄想の世界云々という意味ではなく(多分)、現在医療・介護分野で大いに期待されているもの。いやし効果もあわせ、日本の技術はこの分野ではもっとも進んでいるといわれ、今後さらに官民問わず資金の投入をはじめとした注力が期待されるところである。実際、子どもの時に見た鉄腕アトムやガンダム、ドラえもんなどのロボットアニメに影響され、実現を目指してがんばっている人も多いと聞く。

第九位の軌道エレベーターとは、地球上に衛星軌道上まで伸びるエレベーターを使い、スペースシャトルやロケットを使わずとも物資や人のやりとりができるという、いわば「現代版バベルの塔」。『楽園の泉』をはじめとする小説や、『まっすぐ天へ』『ダークウィスパー』『エグザクソン』『水惑星年代記』など多数の漫画に「将来できたらいいな」的な描写で描かれている。技術的には『軌道エレベーター 宇宙へ架ける橋』が詳しい。

デブリ(宇宙ゴミ)やエレベーターを構成する素材の問題など技術的なハードルや、外交上・政治上の問題など、クリアしなければならない課題は多いが、決して不可能なレベルではなく、ワープ装置やタイムマシンと比べれば「手が届きそうな位置にある未来」のものと見てよいだろう。

未来に想いを馳せるのは、人間だけの特権。その想いを現実のものとできるかどうかは、一人一人の想像力と現実力にかかっている。今から10年後、このリストを見直したとき、どれだけのものに「実現した」というチェックを入れることができるだろうか。


(最終更新:2013/09/11)

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