鼻歌曲名検索エンジン「midomi」の利用方法を考えてみる

2007年02月04日 12:30

Midomiイメージ先に【「鼻歌や口笛、口ずさみの歌で曲名が分かる!?」、アメリカで新タイプの楽曲検索サービス「Midomi」が登場】でお伝えした、数フレーズの歌詞や鼻歌などを吹き込むだけで、その曲が何であるかを推測して一覧に表示する「鼻歌曲名検索エンジン」こと【Midomi(ミドミ)】が面白い。色々試しているのだが、いくつか思いついたこともあり、覚え書き的にここにまとめてみることにする。

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●「Midomi」とは
「Midomi」は、パソコンに接続したマイクを通じて歌ったり口笛・鼻歌などでメロディをデータとして送信するだけで、検索結果として商用で提供された楽曲だけでなく、他のユーザーが録音した楽曲が表示されるというサービス。「あなたが吹き込んだデータから、こんな曲じゃないかと思うのだが、どうよ?」とMidomi側が推測してくれるわけだ。利用者は検索結果のうち自分の音声とマッチする部分だけを聴くことも可能。同サービスを開発・提供しているMelodis側では200万以上ものデジタル楽曲のライセンスを取得しており、かなり許容範囲は広い。単なる「鼻歌曲名検索エンジン」としての機能だけでなく、自分で曲も登録できるため、CGM(Consumer Generated Media、利用者が内容を創って行くメディアのこと)的・Web2.0的な要素も強い。

「Midomi」を支える音声認識については、同MelodisのCEOであるKeyvan Mohajer氏は、スタンフォード大学出身で、音楽および音声認識分野の博士号を取得した人物だとのことで、技術的な裏づけの問題はなさそう。導入されている言語・音楽認識技術は、「Multimodal Adaptive Recognition System」(MARS)と呼ばれるもので、速度、テンポ、歌詞、一時停止などさまざまな要因からサンプルを認識する。

●日本語はどうだろう?
「Midomi」は現在日本語への対応は皆無。日本語の曲を吹き込んでも検索対象にあがるのは英語のものばかり。英語向けサービスなのだから当然だ。試しに『日本ブレイク工業の社歌』を吹き込んだところ、出てきたのは「I'm Not Okay」や「Case Of The Ex」など。ちょっとでも期待した当方がマヌケだった。元々このサービスは海外向けのもので、日本語の曲はデータとして収録されていないのだから、日本語の曲が出てこなくて当然といえば当然。

しかし上記にもあるように、検索の際に参照しているのは「速度、テンポ、歌詞、一時停止」などの「デジタルデータ」であるから、「英語はOKで日本語はダメ」ということは無いはず。恐らく日本語の曲をデータとして登録していけば、日本語への対応も論理的にはかなうはずだ。もちろんキーワード検索では2バイトコードに対応せねばならないので、そちらのハードルは低くない。

今後「midomi」が大いに盛り上がり、日本語でもサービスを開始しても採算が取れる、という判断が下されれば、運営会社自ら、あるいは日本の関連会社が提携を結んでサービスを行う可能性も十分にある。

似たようなサービス……というか番組コンテンツとしてはJ-WAVEの【ドコモメロディコール ミュージックレスキュー】などがあり、潜在的ニーズは存在する。CGMの仕組みも組み込まれているので、「デジタル遊び」が好きな日本人にとってはうってつけのサービスになるかもしれない。


Midomiイメージ●似たもの探しとか
先の「日本ブレイク工業」の曲で調べてみた時に確証できたのだが、この「midomi」は単に「メロディなどは思い浮かぶが具体的な曲を探し出せない」という時に使えるだけでなく、「類似のメロディを持つ他の曲を探し出す」時にも非常に有効な役割を果たせる。

実際、「日本ブレイク工業」の検索結果で出てきた曲を何曲試し聞き(それぞれ30秒ずつ視聴ができる)したところ、それぞれどことなくメロディラインや曲そのものの印象が似ていることに気がついた。

好きな曲のCDを選んで購入する際、「あのCMで気に入ったから」「好きな歌手のカバーだから」という選択以外に、「こんなメロディが気に入ったから」という理由もあるはず。そのような場合、自分が好きなメロディの曲を吹き込むことで、「自分の好みの雰囲気の曲」を「midomi」に選んでもらうことができる。視聴して気に入ったら購入を考えればよいし、だめだったら打ち捨てればよいだけの話。


●「パクリ」探しにも!?
吹き込まれた曲をデータ化してロジックに従い分析して冷静に(計算なのだから当然)判断を下す「midomi」では、「似た雰囲気の曲探し」以外にも、「パクリ」な曲を探すシステムとしても使えるのではないかという可能性も見えてくる。別に「オマージュ」でも「インスパイヤ(ア)」でもいいのだが、人間のセンスとしての「似てる、似てない」以外に、ロジック的な観点から「類似している、していない」を判断する材料として「midomi」は有効であると思われる。

逆に、ある曲を「そっくりさん」が歌う際、どこまで本当にそっくりなのか、言い換えれば「midomiに『類似している』と思わせることができるかどうか」でその人のうまさを判断する材料にも使えるだろう。CGMの機能を兼ね備えている「midomi」では、実に多彩な使い方ができそうだ。


ともあれ、現在英語の曲しかカバーしていない以上、日本人の我々ができることはさほど多くない。せいぜい英語の曲でフレーズのみを覚えているものを探し出したり、近い雰囲気の曲を見つけ出して楽しむくらい。「色々な、技術的方面以外」の問題はあるだろうが、日本語版サービスの提供を切に願いたいところである。


■関連記事:
鼻歌検索サイト「midomi」日本語版本日公開(8/10)


(最終更新:2013/09/12)

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