スクエニ和田社長、「タイトーは開発に特化」「ドラクエDSの価格はお客が許す限り高くしたい」

2007年02月03日 19:00

ゲームイメージ先に【スクウェア・エニックス(9684)、タイトーの不採算部門の処理を今期中に実施・数十億円の特損計上か】でも報じた、【スクウェア・エニックス(9684)】が子会社化したタイトーの処遇についてコメントした1月30日の決算発表の場における、スクエニ側の発言の詳細が【GAME Watch】などで明らかになった。それによると同社和田洋一社長はタイトーのゲームソフト部門については「開発限定・本数絞込み」とする発言をしていたという。また【『ドラクエ』シリーズ本編新作はDSで。タイトルは『ドラゴンクエストIX 星空の守り人』】でも報じた同社の看板タイトル『ドラゴンクエストIX 星空の守り人』に関し「販売価格はお客の許す限り高くしたい」とコメントしたという。

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スクエニは2005年9月にすでにタイトーを子会社化しており、現在リストラの真っ最中。先の記事でも報じた決算発表のリリース(【1月30日の短信、PDF】)ではタイトーについて、

・抜本的な事業体制の見直しを進めている最中
・2006年7月には業務用カラオケ機器部門の売却を実施
・家庭用ゲームソフト部門は不振。利益面では厳しい結果
・不採算事業からの撤退と重点事業へのシフト、間接業務の効率化を図る


などと説明が行われていた。

決算発表では元記事によると、和田社長は上記短信上の記述を元に、

・約1000人いるタイトー社員に200人強の希望退職者募集を行う
・家庭用ゲームソフト部門はソフトの販売をしすぎ。開発に特化して本数をしぼり、販売はスクエニに移管(実質的なスクエニの一開発セクション化)
・アミューズメント施設におけるゲーム機の充実、ブランド統一化


などの点で経営的な改善を目指すと説明したという。

さらにDS用として発売予定の『ドラゴンクエストIX 星空の守り人』の価格について、具体的な金額は提示しなかったものの「お客さんが許してくれうるかぎり、高めに設定したい」とし、お客の様子をうかがいつつも出来るだけ値をかさ上げしたい意向を明らかにした。

タイトーの処遇にしても『ドラクエIX』の価格を「(どうせ多少高くし1本あたりの純益を増やしても売れるのだから、お客が引かないギリギリまで)高めに設定したい」とコメントした件にしても、決算発表という場において証券アナリストや投資家に向けたメッセージ色の強い発言がうかがえる。要は「これだけ色々考えているのだから、今期は満足できなかった方も来期はさらなる利益が期待できますよ」というリップサービス的な意図が見て取れる。

最大利益と投資家(株主)への還元、株主価値の最大化を求めるという点ではまったく持って正論であり、「売れる商品は値を吊り上げて利益を最大化する」のは資本家・商人として当然の判断といえる。しかし「開発費に余分に経費がかかるから」とか「こういう特殊機能を導入するためにはこれだけ負担が追加されるので」という理由ではなく、単に利益拡大のためだけに「価格を上げたい」というコメントが出されたのであっては、(発言が行われた場面を考慮したとしてもも)少々興ざめな気分になってしまうのは当方だけではあるまい。

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