かごごと瞬時にお会計!? ファミリーマート(8028)で電子タグ実証実験実施中

2007年02月13日 06:30

電子タグイメージ[ファミリーマート(8028)]では2月6日から18日までの約2週間、電子タグによる実証実験を実施していると発表した(【発表リリース】)。昨年2月に続き2回目の実施となる。この実験では電子タグを用いて流通から店舗での商品チェック、お客の商品購入・精算までの手間の軽減や時間短縮をどこまで実用化できるかのチェックが行われることになる。

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電子タグとは無線ICタグ(ラベル、目印)のことでRFID(Radio Frequency IDentification)とも言われている。数ミリ程度の小さなICチップに、データを送受信するためのアンテナが内蔵されたタグのことを指す。ICチップには個別商品を識別するためのIDなど各種情報が収納されており、無線を使って読み出すことが可能。要は各商品の「自己主張するデジタル目印」というわけだ。

商品管理が簡易になることから注目を集めている電子タグ(という考え方)だが、これまではコスト高や精度の問題、大きさなどのハードルがあり実用化のハードルは高かった。しかし慢性的な人手不足と流通の効率化の解決策の一つとして研究が進められ、最近ではこれらの問題は解決されつつあり、同時に各種実証実験が進められている。

今回のファミリーマートの実験では、コンビニでの生産から店舗における流通機構での活用のチェックと、店舗における「商品検品・整理」の効率化、POSシステムへの対応によるレジ待ち時間の短縮などが実験の対象となる。

一般客には「工場から店舗への流通」「店舗内への商品の棚卸しの簡便化」などはあまり興味がないだろう。客にとって電子タグの導入は、例えば「かごの中に商品を入れてレジの電子タグ用POS台におくと、瞬時にかごの中の商品の確認が行われて合計額がレジに表示される」という、ハイテクまっしぐらな便利さを享受できることになる。つまり、わざわざかごから商品を一つ一つ取り出して値段を確認したりバーコードに機器を当てて入力する手間・待ち時間が無くなるわけだ。

お客にしてみれば待ち時間が短縮され行列でイライラすることもなくなるし、店舗からすれば入力作業が楽になるし多くのお客をさばけることもあり、両者にとってプラスとなる。特にコンビニでは従業員の確保が難しく、レジに縛られる時間は短い方が多いという現状もあり、大助かりという話もある。

これはファミリーマートではなく一般の、電子タグを用いた店の話だが、将来的には(ガソリンスタンドのような)セルフレジの導入も検討されている。特に人員確保が大変な地方の小売店舗ではニーズが高い。いわば、人員削減と効率化のために導入された、鉄道の自動改札口と同じ考えと表現すれば分かりやすいだろうか。

電子タグでは商品の固有データとしてさまざまな情報を載せられるため、賞味期限をはじめとした各種情報を展開できる。仮に将来、お客側もデータを取得できるような仕組みが出来ればもっと面白いことが可能となるだろう。もっとも現状でも、QRコードをプリントすることで携帯電話を使って読み込ませることはできるので、わざわざ電子タグに余計な機能をつけることはないかもしれない。

その一方、やはり問題なのは値段・ランニングコストの高さ。今回の実証実験で使われたICタグは1つ50円前後もするという。1つ120円のおにぎりにつけられた電子タグが50円では割りにあわないだろう(しかも性質上、電子タグは使い捨て)。電子タグ対応のレジも数百万円から数千万円もするので、導入が必要な中小の小売店ほど導入が難しいという困った事態なのが現状。コスト削減のためにコストが必要というわけだ。

しかしながら他のインフラ同様に、コストは研究開発の進展と、量産化が図られればある程度は解決する問題でもある。実証実験を繰り返しつつ認知度を高め、量産と低価格化を推し進めていけば(もちろん国のさまざまな面からのサポートも必要)、そう遠くないうちに電子タグがコンビニなどの小売店で当たり前のように使われる日がくるかもしれない。

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