三井住友銀行(8316)が消費者金融業界と一定の距離を・プロミス商品の取り扱い停止へ

2007年02月23日 06:30

[三井住友銀行(8316)]は2月22日、同社が20.7%の株式を保有し筆頭株主である消費者金融大手の[プロミス(8574)]との提携内容を見直すと発表した(【発表リリース】)。三井住友・プロミス・アットローン(三井住友とプロミスの合弁会社)3社による個人向け提携ローン事業である「カスケード事業」について、今後はプロミスを除外し三井住友とアットローンの2社のみで提供する。

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これまで三井住友銀行では、契約機などを通じて「三井住友銀行:8~12%」「アットローン:15~18%」「プロミス:25.55%」の3段階で融資をしていた。リリースでは「2月26日から提供は三井住友とアットローン2社のみ。両社が提供する商品は今まで通りプロミスが保証する」とある。従って今後は俗に言うグレーゾーン金利だった部分のプロミスが無くなり、「三井住友銀行:8~12%」「アットローン:15~18%」だけとなる。プロミスは残った2社の融資の保証のみとなる。

銀行大手が相次いで消費者金融と提携し、自社端末で個人向け融資を展開したのも、貸付のノウハウを学ぶだけでなく、消費者金融の高金利の旨みがあったからに他ならない。このスタイルについては昨年金融庁側でも「いかがなものか」的な言及がなされたが、行政処分などの話はなく、当事者にしてみれば「ウマの耳に念仏」的なものでしかなった。

しかしながらグレーゾーン金利の撤廃で「消費者金融独自の高金利の旨み」が無くなった今、ドライな考えで銀行大手が消費者金融と距離を置くようになるのは自然の道理といえよう。

今回は単に「グレーゾーン金利部分を考慮するとプロミスとアットローンの貸し出し範囲が重なって無意味となるからプロミス部分を除いてしまおう」という判断に過ぎないというとらえ方もある。今後、三井住友銀行自身や他の銀行の、消費者金融企業との関係における動向に、これまで以上に注目する必要が出てくるだろう。


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