「節約努力すれば2割値下げ可能」NHK受信料で総務省が試算

2007年02月06日 19:35

時節イメージ『読売新聞(ヤフーニュース経由)』などが報じたところによると、NHK受信料の値下げ問題で【総務省】は2月5日、2008年度から義務化された場合にNHKが大幅に経費削減に努めるなどして受信料の増収に努力すれば、総務省が主張していた「受信料2割程度の値下げ」は可能であるとする試算が明らかになった。

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今件では菅義偉総務相など総務省側が「受信料の支払い義務化をするのだから2割は受信料を値下げしろ。さもなくば国民への義務化の説明がつかず、NHKは権利の上にただ乗りしていると非難される」として強くNHK側に受信料値下げを求めているのに対し、NHK側では「受信料徴収のために住民基本台帳のデータをよこせ」「9月までには試算してそのあと考える」「将来的には値下げはできるかもしれないが義務化直後には無理だ」「2割は値下げできるというがその根拠を示せ」と反発している。

総務省の公式サイト上には一切今試算のデータは掲載されていないが、一般マスコミには(試算データそのものかあるいは「試算した」という事実を)公開した模様。総務省側では今後、積算根拠(この経費がいくらでこれがいくらだから、合計するとこれだけの経費がかかって……というように、具体的な項目ごとの費用を積み重ねていくこと)を示した試算をもとに値下げの具体化を求めるとみられる。

なおこの試算では現在公表されている限りでは「2008年度に受信料が義務化」「2012年度までにNHKが段階的に250億円の経費削減を達成」「受信料支払い率は70%から80%あるいは85%に上昇」。また【日経新聞】の報道によれば、これらの条件を元に、現段階で4パターンの試算が行われているともいう。

いわば、お白州の上で「証拠があるってんなら、出しやがれ!」と息巻くNHKを前に、金さんが肩を出して「この桜吹雪が見えねえか」と総務省側が証拠ならぬ「2割値下げの根拠」を出したことになる。ただ今回の場合、NHK側が、その桜吹雪ならぬ試算は自分らのおもんばかるところとは別のものだ、その試算は間違っているとしらを切る可能性も十分にある。

繰り返しになるが、放送法で守られているNHKの存在そのものは非常に有意義で価値がある。とはいえ、今回のようにその特権を振りかざすのもどうか、という意見も少なくない。また、法律による受信料の義務化が実現されたら、それは社団法人どころではなく単なる「お役所」に他ならない。いっそのこと「受信料義務化徴収」(果ては税金の全面投入もありだろう)の完全公的機関部分のNHKと、民営化・株式公開化したNHKの二つに分割するという手も考えるべきなのかもしれない。

NHKの値下げ問題記事では下にあるように時系列の箇条書きを付加しているが、そろそろ長さが冗談にならない規模のものになってきた。早いところ事態の解決を願いたいところだ(笑)。

「2割値下げで2008年度から受信料支払い義務化」(1月11日、菅総務相)
「もう限界だから受信料値下げは無理」(1月12日、NHK会長)
「合理化すれば値下げは可能」(1月16日、総務次官)
「今の受信料のままでは国民が許さない」(1月17日、菅総務相)
「支払いを義務化しても受信料がすぐに増えるわけではない」(1月17日、NHK経営委員長)
「状況を見極めたうえでお答えせざるを得ない」(1月17日、NHK橋本会長)
「きちんと説明できる態勢作りをしろ」(1月17日、菅総務相)
「値下げはすべきだが受信料義務化で契約者数が増えてから」(1月18日、民放連会長)
「徴収コストがかかりすぎ。抜本的な見直しをして数値目標を設定しろ」(1月26日、菅総務相)
「値下げは将来的にはしたい。でも分からない。具体的な数字は挙げられない」(1月26日、NHK橋本会長)
「料金体系の抜本的見直しを9月までにまとめる。その中で可能ならば値下げを考慮する」(1月31日、NHK橋本会長)
「受信料支払いの対象を把握するために住民基本台帳ネットワーク(住基ネット)を使いたい」(2月1日、NHK橋本会長)
「9月では遅い。もっと早く結論を出せ。住基ネットなど必要は無い。現在の住民票による調査で十分だ」(2月2日、菅総務相)
「住基ネットのデータは不必要。既存システムでやりくりしろ」(2月5日、総務省松田隆利事務次官)
(ここまでで「2割値下げと総務省は言うがその根拠を示せ」NHK側)
「2割値下げの根拠を4パターンに分けて提示した。今後さらに精査してつめていく」(2月5日、総務省)←今回はここ


(最終更新:2013/08/29)

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