「世界最強の運び屋」復活・世界最大の大型輸送機アントノフ124、生産再開・後継機開発へ

2007年02月01日 06:30

アントノフ124イメージ[このページ(Sankei Webなど)は掲載が終了しています]によると世界最大の輸送機にしてその独特のフォルムから多くの人に愛された、旧ソ連製の輸送機「アントノフ124(An-124、Руслан・通称ルスラン、ルスラーン)」の開発、生産が再開される見通しとなったことが明らかになった。世界最大の輸送能力を持つ輸送機として、同機へのニーズが急増したため。

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アントノフ124イメージアントノフ124は旧ソ連のアントーノフ設計局が開発した、量産輸送機としては世界最大の大きさを誇る輸送機。1982年には早くも初飛行を行っている。最大輸送能力は150トンにも及び、通常は輸送機で運べない重量の輸送物も楽々運ぶことが可能。その寸胴なフォルムや機首をぱっかりと開けて輸送物を出し入れするユニークな姿は、その実性能と共に多くの人に愛される要因となった。

日本でもその大きな輸送力を活かし、1999年の広島電鉄の車両輸送や、1993年のモザンビーク・2003年からのイラク関連などにおいて、自衛隊が活用している。「価格が安く、車両や物資の搬出入が容易」と評判も高いとのこと。

同機は旧ソ連政府の財政難から1989年には開発を中止、1990年代前半までに56機を生産して打ち止めになっていた。しかしロシアの航空会社などが合弁会社を設立して、予算5億ドル(600億円ほど)で後継機の開発を目指すことになったという。

開発に参加するロシアのボルガ・ドニエプル航空などによれば、超大型輸送機によるビジネス市場は2000年以降で2.5倍に急増、昨年は約5億ドルに達したという。同社は「今後25年間で軍も含む50機の需要がある」と予測し、2010年にも性能を改善した後継第一機を送り出す考えとのこと。

イラク派遣の際に自衛隊が同機を利用した際には、陸上自衛隊の主力戦車である90式戦車(50トン)ですら楽々と運べるその柔軟性などから「自衛隊でもライセンス生産するなり買い取って正式採用すべきだ」という話が持ち上がったほど。結局自衛隊では【空自も使用する空中給油機、米で実際の空中給油試験に成功・来月にも日本へ到着】にもあるようにボーイング767を改造したKC-767を空中給油機を兼ねた形で採用すると共に、国産のC-Xを現在使用しているC-1の代わりに採用する予定となった。しかしやはり「既存ですでにある程度確立した技術による機体」「150トンもの積載量」は魅力的ではある。

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