2007年01月26日
日本の「かまど」が世界で活躍、効率的で「腰も楽」と評判
電気製品の普及や居住環境の変化で日本では「ダッシュ村」などごく一部でしか見受けられなくなった「かまど」だが、その兄弟分たる土製のかまどが、アフリカで大活躍中だという話が【Sankei Web】で報じられていた。ローテクでさまざまなメリットが現地の状況にぴったりなのだという。
かまどをアフリカなどに普及しているのは、岩手県出身でケニア在住の食物栄養学者、岸田袈裟氏。1994年からかまど作りをはじめ、これまでに10万世帯以上に普及したという。現地ではこのかまど、「エンザロ・ジコ」(ジコとはスワヒリ語で「かまど」を意味するという)と呼ばれ、現地の主婦の家事労働を軽減し、資源節約にも一役買っている。
これまで現地で使われていた火による調理法で使用されていたのは、キャンプなどでよく用いられる「石を3つの足にして支えてマキをくべる」というもの。しかしこれでは火の熱量が周囲にもれてしまい効率が悪い。しかも同時に調理できるのは一品のみ。
そこで岸田氏は実家にあった「かまど」を思い出し、それをさらに改良して新タイプのかまどを考案した。中央の一か所にマキをくべると、3つ同時に加熱できるというすぐれものだ。作り方も簡単、材料も石と泥で、数時間もかければ完成する。
このかまどの利用により、現地の家庭ではつぎのようなメリットが得られるようになった。
・マキの必要量がこれまでの1/4ですむようになった。
・マキをたくさん拾う必要が無くなったため、十分に料理を加熱するようになり、不衛生な環境から脱することができた。
・料理をする女性が楽になった。腰をかがめる必要がなくなり、腰痛も減った。
・女性が労働に集中できるので米の収穫量が増えた。
まさに「かまど」さまさまといったところ。
この「かまど」、アフリカ各地だけでなく中南米のメキシコなどでも広まりを見せているという。

「エンザロ・ジコ」
(日本児童図書出版協会から)
日本の古きよき「ノウハウ」を海外に活用して役立ててもらうという話では、中村哲氏らによるアフガニスタンやパキスタンでの井戸掘り事業が知られている。こちらも日本で培われた伝統工芸ともいえる独特の井戸を用いて現地の生活をうるおそうという試みだ。
かまどにしても井戸にしても、昔の日本人たちが厳しい生活環境の中で試行錯誤を繰り返しながら少しでも暮らしを楽にしようと考え、創り上げていった「ノウハウ」の集合体。先に「ローテク」と表現したが、ローテクはローテクでも「想いと知恵の積もった素晴らしいローテク」なのだろう。
最先端の技術による商品や環境整備も良いが、国際貢献にはこのような「古きよき時代の日本の知恵」を提供した方が、長い目で見ると良いのではないだろうか。そんな気がしてならない。
これらの書籍が参考になります
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