「ミスター・ヌードル」「人類の進歩に最大級の貢献」、ニューヨーク・タイムズ誌が故安藤百福氏を最大級の賞賛

2007年01月11日 07:45

カップヌードルイメージ先の1月5日に死去した[日清食品(2897)]の創業者で即席ラーメンを開発、人類の食文化と食糧事情に大いに貢献した安藤百福氏について、アメリカの【ニューヨーク・タイムズ】は1月9日付けの社説で「Mr. Noodle(ミスターヌードル)」というタイトルと共に最大級の言葉で賞賛し、同氏を追悼した(【該当記事】)。

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社説では即席ラーメンが、ホンダのシビック、ソニーのウォークマン、ハローキティのように戦後の日本における商品開発スタイルである会社組織によるものではなく、安藤氏個人による開発であったことを強調。低賃金労働者のために安くてしっかりとした栄養を持つ食べ物を提供しようという試みのもとに創られたと説明している。そしてこの開発により日清食品は世界規模の企業になり、現在では1日あたり世界で1億人以上が口にし、2006年にはカップヌードルの販売数は250億食に達したと語っている。

さらにスウェーデン産のスパゲティ商品と比較し「お湯を注ぐだけで3分待てば完成する。ニンジンやえんどう豆などは新鮮な野菜のようになる。しかも値段は20セントときわめて安い」と長所を並べる一方、「かやく」が入っている袋が破けにくいこと、少々塩辛いこと、スープが美味しくて飲み干してしまうのだが音がうるさいことやこぼしてしまうことが多々あることなどの短所も(ささいなことではあるが、としたうえで)語っている。指摘の的確さなどを考慮すると、ニューヨーク・タイムズ誌の記者は相当なラーメン通であることがうかがえる。

そして最後にコラムは、

「即席ラーメンで安藤氏は、人類の進歩におけるパンテオン(古代ローマの神々を祭った神殿。いわば神の場所)に永遠の場所を占めた」(Ramen noodles have earned Mr. Ando an eternal place in the pantheon of human progress. )
「人に釣りを教えれば、その人は一生釣りで食いはぐれることはなくなるだろう。しかし彼に即席ラーメンを与えれば彼に釣りですら教える必要が無くなるのだ」(Teach a man to fish, and you feed him for a lifetime. Give him ramen noodles, and you don’t have to teach him anything. )※


とまとめ、最大級の賛美をもって安藤氏をたたえている。

あまりにも日常生活に浸透しているために普段は気がつかないが、即席ラーメンはウォークマンやシビック、ハローキティと並び、あるいはそれ以上に人々に受け入れられ、生活を助けている。世界的に権威を持つニューヨーク・タイムズ誌ですらこのような社説で論じているのが、そのあかしといえるだろう。

※中国のことわざに次のようなものがある。

「一時間幸せになりたいなら酒を飲みなさい。三日間幸せになりたいなら結婚しなさい。八日間幸せになりたいなら豚を食べなさい。一生幸せになりたいなら釣りを覚えなさい」


つまり釣りはレジャーとしても楽しめるし自分の腹も満たせるしさらに職業としても有益だということを表している。即席ラーメンはその「釣り」ですらりょうがする、人に多大な貢献をしたということを表しているのだと思われる。同時に即席ラーメンは「一生幸せになれる釣り」以上に幸せをもたらす、ステキな商品だということでもあるのだろう。

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