経済産業省、タングステンなどのレアメタルの使用量を減らすように技術開発へ

2007年01月09日 06:15

希少鉱石イメージ【Mainihci INTERACTIVE】は1月8日、【経済産業省】がレアメタル(希少金属)の使用量を減らすための技術開発に乗り出すと報じた。レアメタルは工業化の進展で世界的な価格高騰が続いている。最先端技術を維持するためには欠かせない資源だが、依存度を下げることで将来の需要過多・供給不足に備える狙いがある。

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具体的には供給が急減したり途絶えるリスクが高い次の3金属について、日本国内の使用量を2割から5割減らすという数値目標を設定。来年度から5年間で代替する材料や節約する技術を開発し、実用化を目指す。

・タングステン……超硬工具の刃先に使用、20%削減目標
・インジウム……薄型テレビの透明電極に不可欠、30%削減目標
・ディスプロシウム……ハイブリッド車のモーター用磁石などに使用、50%削減目標


特にこれらの3金属は7割から9割を中国からの輸入に依存しており、価格もここ数年で数倍に高騰しているという。また「チャイナリスク」の言葉にもあるように、今後中国の工業化が進むにつれてこれらの資源輸出が途絶える可能性も否定できない。

来年度は今プロジェクトの初年にあたるが、公募で企業や研究機関を選び、その上で開発を委託する。またレアメタル全般の基盤技術研究を進めている【文部科学省】とも連携し、現在3金属に限定している対象を増やす可能性もあるという。

レアメタルの代替材料開発についてはすでに【文部科学省、レアメタルの代用品研究へ本腰】でも報じたように、文部科学省でも来年度から2015年を目安に実用化すべく研究をはじめると報じられている。こちらではアルミニウムやカルシウムを代用品として利用する技術研究に乗り出す・使用量そのものを減らす技術開発など、具体的な話も持ち上がっている。

元々日本は資源に乏しいところを知恵で補って成り立ってきた国。その姿勢は今後も貫き通す必要がある。それぞれの省庁で競争するのもよいが、ここはやはり関連省庁が手を取り合って情報を提供しあうなり、合同部局を作って総合的な戦略本部を設置すべきではないだろうか。


(最終更新:2013/08/23)

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