【更新】「ヤフーニュース」と「47ニュース」で読者の奪い合いか・「ヤフーニュース」で関連ブログ掲載開始

2007年01月17日 19:35

先に【「買取ニュース」+「読者からの評価」=新コンテンツ……ヤフーニュースに読者参加型投票機能搭載】を執筆した前後に指摘されて気がついたのだが、[ヤフー(4689)]がリニューアルスタートした『ヤフーニュース』に、「この記事に関するブログ」の項目が追加されていた。これも先日からお伝えしている、「ニュース読者の(トラフィック)獲得競争」に関係する新機能と思われる。

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この機能、要は掲載されたニュースに関連があるブログの一覧を紹介するものだが、表示形式はトラックバック一覧表示のようにも見える。しかし「トラックバックも立派なコンテンツの一部」と表明している【iza】のように、記事へのトラックバックURLの表示はない。しかも記事によってまったく掲載されていないものもあれば、十件以上並んで表示されているものもある。

記事によって「この記事に関連するブログ」が掲載されているものがある。
記事によって「この記事に関連するブログ」が掲載されているものがある。

当方に指摘をした人の話や当方自身の調査をまとめると、大体次のような法則があるらしい。

・リンクは手動ではなく自動で設定されるようだ。
・ブログに元記事として該当するヤフーニュースのURLを記載したリンクを書き込み、そこからURLをたどって元記事にアクセスがあると、リファー(履歴)を自動確認した上でブログ一覧に加わるプログラムが動いているらしい。
・「この記事に関するブログ」が記入される記事とされない記事があるようだ。
・自動確認して一覧に加わるまでは早くて30分、タイミングによっては一日以上かかる。
・すでにこれに気がついて、まったく関係のないブログを「この記事に関するブログ」として掲載させているところもある。これについては対策が採られることだろう。


『リニューアルしたヤフーニュースの紹介ページ』にも記載はされていないが、【ヘルプ】を読むと「使用するページのURL(http:// ~で始まる一文)を明示してください」という表記があるので、このスタイルを使え、ということなのだろう。どのみち法則性については公開されていないし、トラックバック方式のように誰でも自由に確実に行えるものでもない。活用したいのなら、傾向に基づいて気をつけながら運営していくしかないだろう。

さて。

ブログやサイト運営者にとって、ヤフーニュースの各記事中の「この記事に関するブログ」に掲載される意義は大きい。海外はともかく日本では最強のトラフィックを誇るヤフーの1コンテンツの構成ページに、まがりなりにも「関連情報」としてリンクが掲載される。SEO的効果もさることながら、そのリンクをたどってやってくるであろう、「関連する情報に興味がある」質の高い読者を呼び寄せる「呼び水」になるのは間違いない。


例えば【ネット証券ブログ2】ではヤフーのトップページにトピックスとして掲載された直後、「まるで大津波」ともいうべきアクセスが発生したことがレポートされている。これらがすべて記事内容に興味のある読者なのだから腰が抜ける。

一記事の、しかも一度クリックしないと表示されない「この記事に関するブログ」なのだからこれほどの効果はないが、それでもブログやサイト運営者の関心は集まるだろう。それでは彼らは、

・ヤフーが記事を購入したおおもとの媒体サイト
・ヤフーニュース


のどちらに「ここの記事を参考にしました」とリンクを張ろうと考えるだろうか。ヤフーニュースの記事掲載期間は24時間から90日間とされている(【ヘルプページ】)。一方新聞社などのニュースサイトでは、ずっと掲載しているところもあれば、やはり1日しか掲載しないところ、1年間でURLを使いまわしするところなどさまざま。

「リンク」を資料提供元、読み手の参考資料としての提示と考える場合、できればリンク先のページは長く残っておいてほしいもの。「この記事によると」と書いてあるのにリンク先がなくなっていたのでは記事そのものがわからなくなる場合がある(【国立国会図書館でウェブサイトの収集本格化へ・立ちはだかる著作権の壁】にもあるように国会図書館でも問題とされている件だ)。

そこでブログやサイト運営者は悩まされる。「資料性の高さを採る」か「ヤフーのトラフィックの魅力」を採るか。そしてこの決定は「元記事」としてリンクが張られることで、少なからぬ読者が読み、クリックするのを考えると、「そのブログやサイトのバックグラウンドにある読者がどちらに行くのか」をも左右することになる。

つまり「ヤフーニュース」はブログやサイト運営者に「うちを記事参考元としてリンクを張ってくれれば、うちからも『この記事に関するブログ』として掲載するかもしれないよ」というごほうびをちらつかせることで、さらなる利用客の増加を模索していると考えられるのだ。

ヤフーニュースはオリジナルのものはなく、新聞社から買い取りのスタイルをとっている。そのためどうしても速報性では47NEWSや一般新聞社サイトに劣る。しかし、個人サイトやブログからの読者誘引によるアクセス(実線部分)は魅力的。そこで、点線部分という「ごほうび」をさりげなく示すことで、ヤフーニュースへの誘導を模索している……ようである。
ヤフーニュースはオリジナルのものはなく、新聞社から買い取りのスタイルをとっている。そのためどうしても速報性では47NEW(よんななニュース)や一般新聞社サイトに劣る。しかし、個人サイトやブログからの読者誘引によるアクセス(実線部分)は魅力的。そこで、点線部分という「ごほうび」をさりげなく示すことで、ヤフーニュースへの誘導を模索している……ようである。

これも恐らくは、【新聞社ニュース集合体「47NEWS(よんななニュース)」をのぞいてみる】でも指摘した、既存新聞サイトや47NEWS(よんななニュース)との競争激化という状況を理解した上でのことなのだろう。つまり、現在の「ヤフー」の権威と長所を最大限に活用した上で、「たくさんのブログやサイトから参考サイトとしてリンクを張られている。利用客もたくさん集まってくる。ニュースはやっぱりヤフーニュースだ」という地位を確固たるものにしようと模索している、その一手段ではないだろうか。

サイト運営者の一人である当方(不破)としてみれば、確かに一コーナーの一記事であろうと、ヤフーのコンテンツからリンクを張られるのは非常に魅力的だ。しかし先のizaのようにトラックバックを受け付けて気軽に作業が出来るわけではなく、よく分からない法則に身を任せてリンクを張るしかなく、不毛な作業を続けているような気がしなくもない。一番よいのは大元の記事(ヤフーが記事を購入した媒体)とヤフーニュースの両方にリンクを張ればよいのだが、それでは読者が混乱するし本末転倒。

しばらくはヤフーニュースと47NEWSを中心にした、情報メディアのサイトの動向に振り回されそうな気がしてならない。そんなことを思いつつ、ヤフーニュースの「この記事に関するブログ」のリンク設定の法則性について、気がついたことがあったら掲示板なりメールなりで伝えて欲しいな、いやいっそのこと「ヤフーニュース」でもトラックバック方式にしてくれればいいのにと考えている今日この頃なのであった(笑)。

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