近未来通信社の石井社長、すでに国外逃亡・2億5000万円持ち逃げ

2007年01月23日 12:30

近未来通信のIP電話イメージ先にIP電話事業を行い「多額の配当が得られる」として多数の人から出資金を集めた近未来通信(近未來通信)による詐欺事件で、『毎日新聞/ヤフーニュース(http://headlines.yahoo.co.jp/hl?b=20070123-00000006-mai-soci)』は1月23日、同社の石井優社長がすでに海外へ逃亡していたと関係者が伝えていたと報じた。警察当局の家宅捜索の際には同社の銀行口座には数百円しかなかったことも判明したという。

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元記事によると石井社長は2006年11月17日に羽田空港から出国。その後の足取りはつかめていないとのこと。警視庁捜査二課では12月4日に詐欺容疑で本社などを捜索しているが、その時にはすでに日本には居なかったこととなる。また、二課が捜索に入った際、近未来通信社の銀行残高には数百円しか残されていなかったとのこと。

同じく関係者の話として元記事が伝えるところでは、石井社長が海外に出国する2日前の11月15日、石井社長が都内の会社社長に資産運用を依頼して預けていた約3億円の返済(10月に返還請求、文面上は個人資産ではなく会社の資産と読み取れる)を受け、そのうち5000万円を会社口座に、残りは石井社長の個人名義の口座に振り込まれたという。石井社長はこの2億5000万円を逃亡資金として持ち出した可能性が高い。

また会社への振込み5000万円は返金にあてるよう役員会で指示(11月15日)をしたが、家宅捜索の際には数百円しか残されていなかった。ほぼ全額が引き出されたことになるが、その資金の行方も不明だという。

つまり、

11月中旬まで:TBSの「報道特集」の取材
 (「これが放送されたら内情がバレる!?」
   →逃亡決意
   →資金調達のために運用資金の返還要求)
11月15日:会社の運用資金3億円を返還受領
   →2億5000万円を石井社長のフトコロに
   →5000万円を会社口座に「投資家対策費」(→行方不明)
11月17日:石井社長国外逃亡
11月19日:TBS「報道特集」で近未来通信社の特集。内情が明らかに
11月20日:事務所閉鎖


という流れになる。「報道特集」では何らやましいことをしていないかのように装っていた石井社長だが、このようにタイムスケールを切ってみると、「おおっぴらになりそうだからさっさと逃亡資金を確保して逃げよう、稼ぐのは潮時だろう」という思惑が見て取れる。

昨今の報道では近未来通信社の実情が次々と明らかになっているのにも関わらず、当事者である石井社長に関する報道が一切なかったことから「おかしいな?」という雰囲気はあった。が、今回の話によれば「本格的な発覚前に逃げた」という、この手の事件ではありがちな結果だったことが明らかになった。

状況次第では今後石井社長の国際指名手配も含め、さまざまな手が打たれることだろうが、持ち逃げした2億5000万円や行方不明の5000万円の回収は(たとえ石井社長が拘束されても)不可能だろう。近未来通信社の問題点は前々から指摘されてきたことであり、もう少し早く当局が動いていれば被害は少なかっただろうことを考えると、くれぐれも残念でならない。


■関連記事:
【ソフトなし、サーバそのものは30万円程度・押収された近未来通信のサーバーの価値判明】

(最終更新:2013/08/29)

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