バス運転手の2.3%は睡眠時無呼吸症候群、睡眠障害は2.2%・厚生労働省研究班確認

2007年01月07日 08:45

時節イメージ【Mainihchi INTERACTIVE】は1月6日、関東地方の路線バス運転手3109人を対象に【厚生労働省】の研究班が睡眠障害について調査したところ、睡眠時無呼吸症候群(SAS)の患者が2.3%確認された他、SASではないものの交代勤務の影響などで日中に病的な眠気を催す睡眠障害の患者が2.2%いたことが明らかになったと報じた。特定の職業について運転手の睡眠障害を大規模に確定診断した調査はこれまで例がないという。

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今調査は2004年から2005年に実施され、昨年まとめられたという。ちなみに厚生労働省のデータベースを調べたが今件については一般公開されていなかった。

今調査の研究班の一人である【代々木睡眠クリニック院長】井上雄一氏によると、調査は「自己診断型眠気指数テスト(ESS)で24点中病的な眠気とされる11点以上」「いびきと無呼吸の指摘」「高血圧かつ肥満体形」のいずれかに該当した432人(A)について、睡眠中の呼吸状態を測る簡易検査を実施。そのうち無呼吸や無呼吸がかなりの頻度で確認された140人(B)は、日中の脳波も計る精密検査で確定診断した。

その結果、

睡眠時無呼吸症候群(SAS)……71人
そのうちESSで11点未満だった運転手……7割以上


という数字が出てしまった。国土交通省ではESSの検査により運転手がSASかどうかを判断しようと推奨しているが、実際にはESSだけではSAS診断は困難であると裏付けてしまったことになる。

また、(A)-(B)、つまりESSや外見、日常生活での指摘を受けていながら簡易検査では問題ナシとされた292人のうち、69人がSAS以外の睡眠障害と診断された。内訳は

「交代勤務性睡眠障害」51%(夜勤など交代勤務で睡眠時間が不規則になるため体内時計が狂う)
「睡眠相後退症候群」15%(早く眠れず、起きることが困難になる)


などで、いずれの該当者も日中に病的な睡魔が襲う経験を常日頃しているという。

元記事では「ESSだけで判断するのは問題がある」「SAS対策だけでなく、睡眠の質向上を目指す観点から総合的に睡眠障害の問題に取り組むべきだ」と専門家のコメントを掲載。さらに海外の研究結果として「4時間睡眠を2週間続けると脳のパフォーマンスが2晩眠らない場合と同じになる」「17時間から18時間以上眠らないで作業すると酒酔い状態と同じレベルまで能力が落ちる」など、驚くべき話も載せている。

深夜バスや運送トラックのように、業務上どうしても丸一日以上連続して起きていなければならなかったり、日常生活とは起床睡眠のリズムを変えねばならない事情もある。とはいえ「業務だから」という理由で睡眠に関する問題をおざなりにしていたのでは、無理がたたっていつか重大な事故を引き起こしかねない。特にバスやトラック、そして電車など公共輸送機関で働く人にとっては重大な問題。

昨年世間を騒がせた交通機関の事故のうち、何件が睡眠時無呼吸症候群をはじめとする睡眠障害が要因・引き金になったのだろうか。逆に個人、というより企業や国がしっかりと睡眠障害に関する対策をとっていれば、これらの事故の何割が防げたのだろうかと考えると、元記事の最後にまとめられていた「社会が過重労働の危険性にももっと着目し、対策を急ぐ必要がある」という言葉に重みを感じずにはいられない。

治療も必要だが各人に「無茶をさせない」というのが根本的な解決策になるのだろう。肉体的に従業員に無茶をさせて得られる増収と、その結果引き起こされるかもしれない事故などへのリスクを計算すれば、長い目で見てどちらが得で選ぶべき道なのか。各人・各企業の選択に任された話ではあるが……。

もし仮に、「もしかしたら自分も睡眠時無呼吸症候群では」と心当たりがある人がいたら、【診断ページ(日本医科大学)】などで自己診断してみたり、いきつけの医者に相談すると良いだろう。何か起きて、あるいは起こしてからでは遅いのだから。

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