【更新】不二家(2211)での消費期限切れ材料を用いたお菓子出荷が続々発覚

2007年01月12日 06:30

不二家イメージ【不二家(2211)】は1月11日記者会見を開き、先に明らかになった消費期限切れ牛乳を用いたシュークリームを出荷していた件について謝罪すると共に、似たような事例としてアップルパイなど他のお菓子でも類似の「消費期限切れ材料の使用」が多数同じ工場で行われていたことを発表した([発表リリース、PDF])。不二家では11日から5か所の洋菓子工場の操業を休止、さらに全国の不二家チェーン店での洋菓子販売も休止して対応する。

スポンサードリンク

リリースによると埼玉工場(新座市・工場長:広門昭男)で今回の問題は発生したわけだが、報道で当初語られていた「期限切れの牛乳を用いたシュークリーム作成と販売ルートへの出荷」が昨年11月8日に2000個分行われただけでなく、このほかに7回同様の「期限切れ牛乳使用」が行われた。その他にもあわせると、

・使用切れ牛乳使用のシュークリーム作成……計8回
・「アップルフィーリング」(アップルパイ)の賞味期限切れ使用……4回
・プリンの賞味期限の1日表示伸ばし……1回
・細菌検査で出荷基準に満たない「シューロール」の出荷……1回
・埼玉工場内でのねずみの捕獲確認……2004年には1か月で50匹も


などの驚くべき「管理」が埼玉工場で行われていた。

記者会見に臨んだ藤井林太郎社長ら経営陣の説明によると、これらの問題はすでに2006年11月の段階で発覚していた。しかし公表については「対応策を考えるのに気をとられて公表までに意識が及ばなかった」とする一方、先の【雪印乳業(2262)】での事例を挙げて発覚したら業績に悪影響を及ぼすかもしれないという認識が経営陣の間にあり、公表をためらってしまったというニュアンスの発言もしている。

また今件は今のところ埼玉工場のみでの問題とされているが、「匂いや味に問題が無いという現場担当者の判断で日常茶飯事的に行われた」ともされており、本社の管理が行き届いていなかったことがうかがえる。

今回の不祥事発覚と生産・販売中止が業績に与える影響については、分かり次第発表するとしているが、一日での売上は6000万から1億円前後とされている。また不二家そのものは4年前から営業赤字が続いており、再建途上にある。情報公開の遅れにはあせりもあったのだろうし、現場で「ざる」な管理が行われたのも経営困難な状況が遠因にあるのかもしれない(単に現場レベルでいい加減なだけ、という可能性も否定できないが)。

どちらにしても食の安全が叫ばれる昨今において、よりによって細菌などに弱い子どもたちが口にする機会が多いお菓子において食品衛生管理がずさんなようでは困りもの。まさに「何を信用したらよいのか分からない」というインタビューに答えたあるニュースで報じられたおばさんの言葉にもあるように、不二家の洋菓子だけでなく、お菓子全体の信頼を損なうことにもなりかねない。

個人的にも「LOOK」をはじめとする馴染み深いお菓子を販売している不二家が、ということでかなりショック。早急な対策と、それこそ先の雪印乳業の時のような大規模な改革を願いたいところだ。

Related Posts Plugin for WordPress, Blogger...

スポンサードリンク



 


 
(C)JGNN||このサイトについて|サイトマップ|お問い合わせ