「18歳で成人」政府与党検討開始

2007年01月03日 08:00

【NIKKEI NeT】が報じたところによると政府与党は1月3日までに、法律で定める「成人年齢」を現行の20歳から18歳に引き下げる方向で検討に入ったという。情報化の進展や犯罪の低年齢化など、社会の変化を踏まえて、国際的に主流の18歳にあわせるべきだと判断した上での結論。

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具体的には2010年までに、選挙権を18歳以上で認めるという公職選挙法など関連法の改正を目指すとのこと。ただし、(2年繰り上げただけでも)従来の社会的枠組みを大きく変えるだけに、慎重論もあるという。

成人年齢見直しは先の臨時国会での国民投票法案の審議で浮上したもの。自民・公明の与党以外に、野党の民主党も投票年齢を「原則18歳以上」とする方針で一致したのがきっかけ。年齢引き下げで影響を受ける法律は民法、少年法など30を超え、所管省庁も総務、法務両省など多岐にわたり、大規模な法改正につながるのは必至と見られている。また、【日本共産党が十八歳選挙権を求めているわけは?】にもあるように、共産党も早くから「18歳で成人(させて選挙権・少年法の問題を解決せよ)」と訴えており、与野党共に賛成する政党が多い。

日本国内法では民法第4条において「満20歳をもって、成年とする」と定めてあり(第753条で「婚姻していれば成年者と見なされる」という但し書きあり)、民法制定の1896年以来100年以上に渡って「社会的な一人前の年齢は20歳から」というルールがある。これを「18歳に引き下げる」となれば、やはり社会的にさまざまな影響を与えることは間違いない。逆に考えればそれだけ社会そのものが早熟化(一部では逆行しているという意見あり)しているということなのだろう。

「成年18歳」となれば、例えば「18歳から親の同意なく自由に財産を処分できる」「養子縁組で養親の立場になれる」「選挙権が得られる」「少年法の対象が引き下げられる」などが対象になる。また、禁酒・禁煙に関する年齢制限も「法的成人年齢」を参考にしており、「こちらも引き下げを」という議論が起きるのは間違いない。

【総務省の統計データ】によると、2004年10月1日現在における日本国内の総人口において、各種データは次の通り。

・総人口……1億2768万7000人
・20歳以上人口……1億0319万3000人
・18歳以上20歳未満人口……282万9000人
成年人口増加率は2.74%


2年引き上げたことで、3%近い法的な「成年」が増える計算になる。ただし、さまざまな事象に関する「アクティブ率」(参加率や行動率)は成年の方が高い場合が多いし、地域によって成年人口比率は多分に異なる。

例えば選挙では「新たに成年の枠組みに入った層(のほとんどは浮動票)を取り組む必要が生じる」選挙区とあまり影響を受けない選挙区が出てくることになる。今年の国会で今件が論議される際には、まさに言葉通り「お家事情」ならぬ「地元事情」が絡んでくるだろう。

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