1人から4日で30人、8日で8500人、10日で12万人……新型インフルエンザの被害予測を国立感染研究所が検証

2007年01月17日 21:45

マスクイメージ【NIKKEi NeT】が報じたところによると【国立感染症研究所】の研究グループは、アジアを中心に鳥の間でまんえんしている鳥インフルエンザのウイルスが変異して出現するといわれている、人間に感染するタイプの新しいインフルエンザが日本国内でどのように広まっていくのか、その感染状況をシミュレートした。その結果、1人が感染してから10日目で12万人を突破、1都3県全域にまで広がるという推測がはじき出された。

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今件はまだ研究所サイトや同サイト内【鳥インフルエンザ専用ページ】に記載されていないので元記事からたどるしかないが、それによれば

・「最初の感染者は一人。東南アジアで該当新型インフルエンザに感染して帰国。東京八王子市に在住。東京駅近郊の勤務先まで通勤を繰り返す」と設定。
・帰国後4日目までに通勤電車や職場で約30人に感染。
・6日目に715人に感染。
・8日目に8500人に感染。
・9日目に30000人に感染。
・10日目に12万人に感染。東京以外に神奈川、埼玉、千葉の3県全域と、茨城県南部にまで拡散。


という結果が出たという。これらの推測は、首都圏在住者88万人の行動パターンから予測したもの。また今回の試算はアメリカやヨーロッパなどと比べても感染者の増えるペースや居住範囲の広がり方がはるかに速く、同じ傾向は関西・中部などの大都市圏にも当てはまるとのこと。人口密集地であることや、移動機関で短時間にさまざまな場所に行き来することが原因なのだろう。

研究所側では「新型インフルエンザの患者が出た場合、行政や企業、学校などが連携し、迅速かつ広域に対策をとることが欠かせない」とコメントしているという。

今日本だけでなく世界中で恐れているのが、鳥インフルエンザが突然変異を起こして人間へ、そして人間から人間へ感染できるタイプの新型インフルエンザとなり、パンデミック(世界的な大流行)を引き起こすこと。【WHOによる警報フェーズ表記】によると、現在は「警戒期」であり、「人から人への感染は無いか、またはきわめて限定されている」時期(レベル3)にあるという。とはいえ、今後これが4から5に移行しないという確証はなく、一度4や5に移行すると「パンデミック期」に突入するのにはさほど時間はかからないといわれている。

上記ページの説明によれば、20世紀においてもすでにこのパンデミックが3回発生している。そして現在最後にパンデミックが発生した1968年以降において、現在はもっとも「新型インフルエンザによるパンデミックが発生する可能性が高い状況」にあるという。

パンデミックインフルエンザの警戒レベル一覧
パンデミックインフルエンザの警戒レベル一覧

とはいえ個人レベルで出来ることはそれほど多くない。【鳥インフルエンザの分布図】などを参考にし、該当すると思われる地域を訪れる場合には十分以上に注意するということくらいだろう。あとは事前に正しい情報を収集すると共に、医学方面での進歩に期待をかけるしかないのだろうか。


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