東証、上場企業に情報開示の充実を要請

2006年12月14日 07:00

株式イメージ【東京証券取引所】は12月13日、企業の合併や買収が急増する中で、上場企業が個人投資家に十分な説明を行っていないとして、すべての上場企業に対し合併や買収の際の情報開示を充実するよう要請した(【発表リリース】)。

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これは昨日12月13日に金融商品取引法(改正法)の施行が行われ、その中で水面下で株式の買占めが進められることのないようTOB(株式公開買い付け)の規制が強化されたのに伴い、東証側が全上場企業に要請したもの。

リリースによると企業買収の手段として最近特に多用されているTOBについて、個人投資家がその情報を正確に理解把握できるよう、買い付けの目的などの説明を充実するよう求めている。さらに買収をしかけられた企業に対しても、賛否の詳しい説明をするようにとしている。

またTOBと似たようなスタイルとして、ここ一年で大手企業の再編手段として用いられるようになったMBO(経営陣による自社株買収)で上場廃止を行う場合、株式の買い取り価格の妥当性や上場廃止の明確な理由などを示すようにと述べている。

東証側では投資家がとまどったり理解に苦しんだり、果ては理不尽さに訴えたくなるような複雑な合併や買収手法が増加し、これが市場そのものへのモチベーション・投資意欲が低下する引き金を引きかねないとし、企業側にはこれまで以上に適切な説明を行う必要があるとしている。

このような話が持ち上がると「また新興企業か」という、やもすれば偏見とも受け止められがちな思いが頭をよぎるが(実際は経験則によるものなのだが)、最近では新興企業でその割合が増えているだけでなく、一部上場企業でも「もっと適切で投資家や株主に理解納得できる情報を開示しないといけないんじゃないの、ねぇ?」と突っ込みを入れたくなるような事案がちらほらと見受けられる。

ばれなければ、あるいは罰則が無ければ何をしてもよい、と考えている風潮があるのかもしれないし、もしそうだとすればそのような姿勢は、多くの投資家に対する投資判断材料とされるべきだろう。また、東証側も監視の目を充実させると共に、「伝家の宝刀」として温存するのではなく、権限を存分に発揮し、今回の発表の意図に従って行動してほしいものだ。

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