ソフトバンク、ばんえい競馬支援へ

2006年12月09日 09:30

ばんえい競馬イメージ【北海道新聞】などは12月7日、北海道の名物のひとつである【ばんえい競馬】が予算の都合などで廃止が決まった件で、[ソフトバンク(9984)]が支援に名乗りをあげて帯広市の一市開催の方向で話がまとまりつつあることを報じた。市議会でも具体企業名は出していないものの、帯広市での開催を目指す考えが示されており、「廃止」という最悪の事態だけは免れる見通しとなるもよう。

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「ばんえい競馬」は元々、北海道の開拓時代に木材を運び出していた馬の力比べという遊びを起源とする、馬がそりをひきながら力と速さを競う競馬。通常の競馬とはスタイルを異にしている。言葉の意味は「輓馬(ひきうま)で曳くことから「輓曳」(ばんえい)」なのだという。単なる競馬と異なりスピーディーさはないが、ダイナミックで力強い走りが頼もしさをかもし、独自のファンも多い。ばんえい映画を題材にした映画『雪に願うこと』も製作された。

北見競馬場・岩見沢競馬場・帯広競馬場・旭川競馬場のいずれも北海道の4競馬場を巡回して開催されているが、2006年度、予算の事情などから廃止が決まり、60年の歴史に幕を閉じることとなっていた。

中止の報道を受けてすでに各方面で存続のための動きが見られ、調騎会が4000万円+1000万円、ばんえい競馬馬主協会も1億円以上の寄付を申し出ている。それに今回ソフトバンクが全面支援・帯広市での単独開催の方向で帯広市と調整を続けていることが報じられ(ソフトバンク側の正式発表はまだ無い)、存続の可能性が見えてきた。

記事によればソフトバンクの子会社が100%出資の新会社を設立し、馬券の販売をはじめとした競馬法上民間委託が認められている関連業務すべてを取り仕切ることになる。この会社は帯広市にレース運営にかかる費用を固定費として支払うため、帯広市が問題視していた「財政負担」という問題はクリアされることになる。またソフトバンク側では帯広競馬場にナイター開催のための証明設備を設置、テレビ中継なども行う仕組みをつくる。

さらにソフトバンクグループが運営する地方競馬総合サイト【オッズパーク】との相乗効果も狙う。現在売り上げの10%弱程度にとどまっているネットを通じた馬券販売を大幅に伸ばし、黒字化を目指すとみられている。

ソフトバンク側にもさまざまな思惑があり、今後プランが明らかになることだろう。ともあれ半世紀以上の歴史を持つばんえい競馬の歴史が途絶えることが無くなる可能性が出てきただけでも、ほっとする話。もちろん、是非とも実現してほしいものである。


(最終更新:2013/09/15)

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