個人輸入のバイアグラの半数は偽造品との調査結果

2006年12月02日 09:30

お薬イメージ【薬事日報】によると、成分や含有量は異なり本物の効果は期待できないが包装(見た目)は本物そっくりの「ニセ薬」問題で、【ファイザー】の池田哲也セキュリティーオフィス部長は、勃起不全(ED)治療薬「バイアグラ」の偽造品が全世界で流通している量は、本物の約2.5倍と推定されるという調査結果を明らかにした。日本でも同程度の比率で出回っているとも言及している。

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記事によると流通経路は、偽造品をつかまされた輸入代行業者や、中国・韓国の犯罪組織から流れるケースが多いとのこと。また、インターネットからの購入品や疑わしいところがある貨物の検査においては、個人輸入の半数以上が「ニセ薬」だとという。

ファイザーに限定しても同社の医薬品で偽造が確認されているのはファイザーの主力薬品である高脂血症治療薬、降圧剤など12製品で、69か国でその存在が確認されている。中でもバイアグラは「ニセ薬」の主力ターゲットの一つで、海外規格(日本未承認)の形状に、正規品の1/10~4倍もの成分が含まれている上、不衛生な状態で製造されているという。

ファイザーが確認した範囲でも、差し押さえや偽造品摘発は今年だけで70件以上、ED治療薬は16万錠(バイアグラが14万錠)とのこと。最近は「中国で製造」「中国や韓国などを経由」「犯罪組織や同胞ネットワークで流通」のパターンが多く、他の不法薬物と同じルートを用いる場合が多い。

また、日本でをはじめとする先進諸国ではニセ薬の販売量は全体の1%に満たないが、アジアや途上国では30%に達しており、世界医薬品市場の6%を占めるまでになっている。バイアグラのようなライフスタイルに関係する医薬品だけでなく、インスリンや抗がん剤など、直接人命に関わる医薬品でもニセ薬はまんえんしており、事態は深刻といえる。

医薬品は貴金属や有価証券と同じく「かさばらずに高額なものを運べる」だけでなく、見た目だけでは本物かどうかの判別がしにくいニセモノを作れる、さらに世間一般にもニーズが幅広く存在する、ネットでも容易に販売できるなどの点から、犯罪組織・集団・国家が資金調達のために利用されやすい。もちろん本物と同じ効果が期待出来るはずも無く、むしろ状況が悪化したり別の症状を誘発する可能性すらある。

最近はネット通販の普及により、薬の個人輸入も気軽にできるようになった。とはいえ、それに伴い今回指摘されたような「問題のある薬もどき」が出回っているのも事実。実際に、毎日のように海外からはこういった類の薬を販売中であるとの迷惑メールが舞い込んで来る。フィルタをかけてもグラフィックで展開したり、キーワードの一部をわざと誤字にしたり当て字で変えてフィルタを通り抜けようとするあたり、まさに「必至」といえる。

もちろんそれらを購入すれば「社会的に問題がある集まりへの資金援助をする」ということもあわせ、手を出さないようにするのが一番の対処法といえるだろう。

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