薬の副作用とその対処法「重篤副作用疾患別対応マニュアル」、ウェブサイトで公開

2006年12月02日 12:45

時節イメージ【厚生労働省】は11月24日から、薬で発生した重い副作用とその対処法などをデータとしてまとめあげた重篤副作用疾患別対応マニュアル【医薬品医療機器情報提供ホームページ】上で開始した。

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これは先に【厚生労働省、医薬品の副作用への対処マニュアル作成、年末にはサイトに公開も】で報じたように、医薬品による副作用に適切な対処治療が出来るよう、特に注意の必要な9つの副作用について症状別に、早期発見のポイントや判別方法をまとめた対応マニュアルのウェブサイト版となる。

10月19日の厚生省内会合では9疾患のマニュアル案が提示、意見が交わされた。最終的には120もの副作用疾患についてマニュアル化を目指している。現在公開されている9つの副作用とその症状は次の通り。

・横紋筋融解症……「手足・肩・腰・その他の筋肉が痛む」、「手足がしびれる」、「手足に力がはいらない」、「こわばる」、「全身がだるい」、「尿の色が赤褐色になる」
・間質性肺炎……「階段を登ったり、少し無理をしたりすると息切れがする・息苦しくなる」、「空咳(からせき)が出る」、「発熱する」、などがみられ、これらの症状が急に出現したり、持続したりする
・偽アルドステロン症……「手足のだるさ」、「しびれ」、「つっぱり感」、「こわばり」がみられ、これらに加えて、「力が抜ける感じ」、「こむら返り」、「筋肉痛」が現れて、だんだんきつくなる
・急性肺損傷、急性呼吸窮迫症候群(急性呼吸促迫症候群)……「息が苦しい」、「咳(せき)・痰(たん)がでる」、「呼吸がはやくなる」、「脈がはやくなる」
・スティーブンス・ジョンソン症候群……「高熱(38℃以上)」、「目の充血(じゅうけつ)」、「めやに(眼分泌物(がんぶんぴつぶつ))」、「まぶたの腫(は)れ」、「目が開けづらい」、「くちびるや陰部(いんぶ)のただれ」、「排尿(はいにょう)・排便(はいべん)時の痛み」、「のどの痛み」、「皮ふの広い範囲が赤くなる」がみられ、その症状が持続したり、急激に悪くなったりする
・中毒性表皮壊死症(中毒性表皮壊死融解症)……「高熱(38℃以上)」、「目の充血(じゅうけつ)」、「くちびるのただれ」、「のどの痛み」、「皮ふの広い範囲が赤くなる」、がみられ、その症状が持続したり、急激に悪くなったりする
・白質脳症……「歩行時のふらつき」、「口のもつれ」、「物忘れ」、「動作緩慢(かんまん)」などの症状
・非ステロイド性抗炎症薬による喘息発作……「息をするときゼーゼー、ヒューヒュー鳴る」、「息苦しい」
薬剤性パーキンソニズム……「動作が遅くなった」、「声が小さくなった」、「表情が少なくなった」、「歩き方がふらふらする」、「歩幅がせまくなった(小刻み歩行)」、「一歩目が出ない」、「手が震(ふる)える」、「止まれず走り出す事がある」、「手足が固い」


公開される副作用は、報告件数が多く代表的なものについて。薬で重い副作用が生じることは現在ではあまりないし、素人が判断するのは危険ではある(それぞれのデータのボリュームも相当なもので、一般の人が目を通すのには少々酷)。が、思い当たる節があれば自分が現在服用している薬とあわせ、主治医に相談する際の材料として用いることもできよう。

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