定年退職後の備え、84.2%が不安を感じる

2006年12月16日 18:00

株式イメージ【NIKKEi NeT】の特集ページにおいて、定年退職・引退後の備えについてアンケートを採った結果として、8割を超える人が不安を感じていることが明らかにされた。

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仕事をしている人や定年退職をした人の回答として、自分自身の「定年退職後(引退後)の備え」について不安を感じている・感じていたかについてたずねたところ、感じている/感じていたが45.3%と半数近くを占め、「ある程度」とあわせると84.2%と8割を超えている。

「定年退職後(引退後)の備え」について不安を感じている・感じていたか
「定年退職後(引退後)の備え」について不安を感じている・感じていたか

また、具体的に定年退職後の備えで、不安を感じる/感じた具体的なことについて(複数回答)は、「生活費」が「健康・体力」をはるかに超える91.3%をしめ、経済的な不安が一番の不安要素であることが明らかになった。

定年退職後の備えで、不安を感じる/感じた具体的なことについて
定年退職後の備えで、不安を感じる/感じた具体的なことについて

個別意見としては年金制度への不信・不安感をはじめとした社会保障の仕組みへの疑念がもっとも多く、また自らライフプランを作成しているという意見もあった。

危機感を持つ一方、自ら備えをしているのかという疑問もわくが、その疑問への回答は「備えをしている/していない」が約半々を占め、意見・行動が分かれているようだ。

注目したいのは、「定年退職後にどれだけのたくわえがあれば安心できるか」という問いへの答えと、「実際にどれくらいのたくわえが用意できる/出来たか」という問いには大きな開きがあることだ。一番多い回答を得られた層は両者とも3000万円~5000万円で変わりないが、それより下の層が「安心できるか」という観測においては少ないものの(23.7%)、実際の「できるか/できたか」においてはかなりの数を占めている(61.1%)。現実と理想の乖離がうかがいしれよう。

最後に、「定年退職後の収入としてどのようなものを想定している/していたか」という問い(複数回答)には、先の問いで不安を感じているという結果が出ている「公的年金」「個人年金」がトップを占めている。その一方、「預貯金の取り崩し」「労働による不定期な収入」「子どもなどからの仕送り、補助」という切実な回答も見受けられる。また、「資産運用益による収入」という回答は32.6%と5番目を占めていた。

定年退職後の収入としてどのようなものを想定している/していたか
定年退職後の収入としてどのようなものを想定している/していたか

定年退職後の不安について簡単にでまとめると「健康もそうだがお金の問題が何より気になる。年金に頼らざるを得ないだろうが年金そのものが不安だし……自分で計画して貯めていきたいけど、思ったほど・必要な額は貯められないだろうな」ということになるのだろう。ただし今件のアンケートは回答数が191件と少なめのため、たとえ権威ある日経の一部局のものであったとしても数字に多少なりのぶれがある可能性が否定できないことをここで書き記しておく。

さて。個人的な意見のところで「ライフプラン」という言い回しが出てきたが、個人個人の人生設計を明確化し、それぞれの時期においてどれだけの収入・支出があるかをまとめ、全体的なお金のやりくりを計画して無理のない「お金の上での人生設計図」を創ることを「ライフプランニング」と呼んでいる。その設計図に従い行動することで、お金の心配を少しでも軽減し、金銭的にも精神的にも安心した生活を送るようにするための手法の一つだ。いわば「お金という燃料を使っている個人個人の船の、人生という名の航海における航海図・海図」がライフプランであり、それを創るのがライフプランニングである。

心配はしているけど、具体的にどうすればよいのか分からない、という人は、ぜひライフプランを創って見て欲しい。わからないことがあれば、その筋の専門家(ファイナンシャル・プランナーや金融機関の担当者など)にたずねると良いだろう。

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