【更新】損保各社、不払い調査時期を金融庁に報告・最長「4月末までに」

2006年12月10日 06:30

株式イメージ[産経新聞]が報じたところによると、保険金の不払い問題を巡って損害保険会社(損保)各社は12月8日、自動車保険など付随的な保険金の不払いの、3回目の調査完了の時期や調査をする範囲などを【金融庁】に報告した。大手では【損保ジャパン(8755)】などが4月末までに調査を完了する予定であるなどと([損保ジャパンのリリース])している。過去の調査結果や今回の調査を行う範囲を考慮すると、不払い件数はこれまでの発表以上に増えることは間違いないものと思われる。

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3回目となる再調査報告を金融庁から受けた各社は、9月末までに調査報告した内容が調査範囲や対象が不十分なケースが多く、いわば「ダメ出し」を金融庁から受けた形。金融庁側ではあまりにもの体たらくさを受けて、今回の際報告の内容を一般に公開する意向を固めているとさえ報じられている。

今回新しく調査対象となるのは自動車事故で複数の保険金種目が支払われるはずなのに一部しか払われていない「組み合わせ」と呼ばれる中でも、被害者・加害者の加入保険会社が異なり、事故書類が複数社に分散している案件が大半だという。たとえば被害者のA保険では怪我をしたことから「人身傷害保険」が支払われているのに、加害者のB保険では(A保険が「人身傷害保険」を認定する事故であったから支払われるはずの)「対人賠償保険」が支払われなかったケースがある。

保険会社では2回目の調査命令の時にはこの「他社またぎ」と呼ばれるケースは調べておらず、そんな問題があるという認識もなかったという。また一部保険会社では今回の調査で不払い問題を終える考えを示している。

損保の不払い問題は、第一分野の死亡保障、第二分野の損害保険とは異なる、第三分野と呼ばれる医療や介護、傷害保険における競争が保険の自由化で激化したことに伴い、「他社よりも少しでも多くの魅力を加味しようとさまざまな特約(オプションのこと)を付随させたが、あまりにも多くなりすぎて保険を勧める側も把握しきれなくなった」「新規参入組が競争激化のあまり、体制が整わない中、無理な販促を行った」ことなどが要因として挙げられている。

保険とは本来「任せて安心」のキャッチフレーズにもあるように、契約者と保険会社双方が信頼し合い、その関係の中で成立しうるものでなければならない。今回あまりにも損保の不払い(一部「未払い」と言葉のあやを用いているところもあるが、問題のすり替えをしても何の意味もない)が多いせいか、保険契約者の中には保険そのものに不信を感じる人も出てくる始末である。多くの真面目に働く保険会社の現場スタッフや代理店にとっては、とんだとばっちり以外の何物でもないだろう。

保険に限らずビジネス全般において、取引とは物品やサービスそれ自身だけではなく、「信頼」をも取引対象に含まれるもの。いくら対象商品やサービスが良くても信頼にかけるところがあれば、お客側はそれを求めようとはしないだろう。その大原則を忘れないでほしいものだ。

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