【更新】キリンビール(2503)、ビールの副産物でバイオ燃料抽出実験・産経新聞など報ず

2006年12月29日 18:30

[産経新聞]は12月29日、【キリンビール(2503)】がビール製造の際に排出される大麦の殻などの副産物を活用し、2007年中にバイオエタノールを抽出する実験に着手する計画を明らかにした。ビールの副産物を用いたバイオエタノール化実験は日本国内では初めてだという。

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記事によるとキリンに限らず大麦からビールを作る場合、殻や発芽の際に発生する根などはビールには用いられず、家畜飼料やキノコ栽培の苗床、土壌改良材などに用いられてきた。キリンでは資源の有効活用や環境問題への取り組みに重点を置くため、そして付加価値が高いという点もあり、バイオエタノールを抽出する方法を検討するという。具体的には来年中に研究所や工場、生産本部など社内横断的に人材を集めた研究体制を構築して実験を開始する。

元々バイオエタノールはその名前からも分かるように有機化合物から抽出されるもので、現在のところサトウキビなどの穀物や廃材などの木材などが原材料として有力視されている。しかし廃材には限りがあるし、サトウキビは「食べられるものを燃料にする」ということへの抵抗感、エネルギー効率などの問題点が指摘されている。

さらに現在のところバイオエタノールを大規模に輸出できる国はブラジルしかなく、また原料のサトウキビが高騰するなど、輸入に頼るのにも限界がある。(コスト的に)安定した供給とは言いがたい。

キリンでは特に問題視される採算性を考慮しながら、効率的なバイオエタノールの抽出・精製方法を探ることを目指しているという。元々二次的な利用法しかなかった大麦の殻や根などが有効に、しかも適正な価格で、需要の十分にある市場に展開できる商品に生まれ変わるのなら、願ったりかなったりというところだろう。

例えば【キユーピー(2809)】では【このページの説明にもあるように】主力商品に用いられる卵の殻を単に捨てるのではなく、有効活用できないかと研究を重ね、医薬品や化粧品など特徴ある商品を生み出している。キリンがこのバイオエタノールの分野で努力を重ねて効果的な抽出方法を見出すことができれば、原材料費をほとんど増やさずに、新たな主軸事業を立ち上げることができるかもしれない。

なお今件については他に[読売新聞]でも報じているが、キリン本社はリリースを出しておらず、他誌も取り上げていない。問い合わせようにもすでにキリンは正月休みに入っているのでそれもかなわない。正月明けには何らかの発表があることだろう。

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