【更新】売上の繰上計上の件でミサワホーム九州(1747)など正式発表、監理ポスト行きへ

2006年12月19日 08:45

株式イメージ先に【ミサワホーム九州(1747)、5年に渡る粉飾決算の疑い・親会社のミサワHDも粉飾扱いか】でも解説したように、【ミサワホーム九州(1747)】が2006年3月までの過去5年間において売上を前倒しで決算計上した件について、同社及び親会社の【ミサワホームホールディングス(1722)】は12月18日記者会見を開き、実際には3期連続で債務超過状態であることなど今件が事実であると発表した([発表リリース、PDF])。またこの発表にあわせ、【福岡証券取引所】は同日付でミサワホーム九州を監理ポストに移行したことを発表した([発表リリース、PDF])。

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売上の繰上げ計上、事実上の粉飾決算が明らかになった今件については18日の発表で、ほぼ先の解説記事の内容が事実だったことが判明した。また、偽装が行われた住宅は605棟・27億円に登ることが明らかになった。さらにこの粉飾決算により、2004年3月期決算から現在にいたる3年間、連続して債務超過に陥っていたことや、2003・2004年においては実際には(利益がないので商法上配当を出してはいけないにも関わらず)配当を行ったことも明らかにされた。これに伴い、親会社のミサワホームホールディングスも5年分の決算について修正を行う。

福岡証券取引所ではこの発表を受けて即日監理ポストに同銘柄を移行。同取引所では「2年連続の債務超過は上場廃止」との基準があるため、ミサワホーム九州の上場廃止は確実な情勢だといえる。

また今件について、住宅業界の監督官庁である【国土交通省】側でも、事実と異なる財務諸表を出したとして、建築業法違反の疑いもあるとし、ミサワホーム側から事情を聞く予定。

先の記事での解説を見てもらえればお分かりの通り、今回ミサワホーム九州が行ったと説明しているのは「売上の前倒し」であり、「架空売上の計上」ではない。例えるなら「将来の収穫を先にいただいてしまう」「来月もらう給料を今月もらい、来月は再来月の給料をもらう」というようなものである。いつかは破綻するものの(大規模な利益をあげればその場で精算し、前倒しを止めることも可能だが……)、自転車操業的に経営を続けられることになる。

とはいえ、前倒しだけで架空売上の計上はしていないのなら、事実と粉飾された決算との間にこれだけの開きが生じるとは想定しがたい。先の例で表現すれば、訂正前後の決算書は「一か月先の給料を前倒しでもらっているはずなのに、数か月分の給料を一か月ごとにもらっていた」ようにも見えるからだ。

今後監査法人などにより正しい決算書類が作られるべく精査が行われるはず。その過程でさらに新たな事実が明らかになるかもしれない。


(最終更新:2013/08/23)

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