短縮URLは「警戒すべきもの」

2006年11月20日 19:30

インターネットイメージ【FETISH STATION】において短縮URLに関する興味深い言及・まとめが掲載されていた。当方でも常々思っていたこと、あるいは経験していることもあり、ここで紹介してみることにする。

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「短縮URL」とは言葉どおり、URLを短縮するサービスのことを指す。CGIなどのプログラムによって生成されるページやアクセスごとにプログラムを実行して結果を導き出すタイプのページの場合、引数などがURLに追加されるのでやたらと長いURLになる。一方、今でこそそのような仕様のものは少ないが、エディタによってはURLが長いと途中で自動リンクが切れたり、リンクそのものが設定されない場合がある。

また、ケータイメールなど文字列数を制限されたり短い方がよい状況においても、まるでプレステ3の初日購入のために並ぶ行列のような長いURLは好まれない。特にケータイのメールでは昔は255文字までしか送れなかったので、下手をするとURLだけで本文が終わってしまう。

そのような状況の中で生まれたのがURLを圧縮して転送するサービス、「短縮URL」だ。任意のURLを入力すると、それがどんなに長いものでも、そのサービスのURL+数桁の引数で代用できるようになる。例えば「http://www.gamenews.ne.jp/archives/2006/11/395000135000.html」が「http://tansyuku.com/1234」(※仮想のものです)になるといった具合だ。実際に短縮されたURLをクリックすると、その引数に基づいてあらかじめ登録=割り当てられた本来のURLにジャンプ・転送するだけの話で、ロジックとしてはそれほど難しい話ではない。

ただこれが、信頼のおけるところが登録・発行した短縮URLならともかく、そうでない場合には容易にクリックするのは問題となる事態があちこちで発生している。一番問題なのは「リンク先のURLが、表示されている短縮URLからは分からない」ことにある。例えば悪意を持った人が、自作したウィルスソフトを自動インストールするページに誘導するURLを短縮し、「女優●×のアレな姿を激写!」とかいうコピーと共に不特定多数に送りつけたらどうだろう? 引っかかってしまう人がいるかもしれない。

つまり短縮URLは使い方次第で「闇鍋」どころか「内容も見ずに契約を結ばされる」ようなものにもなりうるわけだ。

上記参照サイトにも指摘されているように、短縮URLには次のような問題点がある。

・広告を挟んでから実URLに転送する転送URLではアクセス率が低下する。
・クリックしないと本来のURL先がどのようなページか分からない。
・ドメインによるサイトの個性やアピールを否定している(例えば当方の「gamenews.ne.jp」のように)
・短縮URLの利用ログを提供するサービスもあるが悪用されやすい


また、指摘されているように、JavaScriptを併用することで、「ブラウザ上の表示は正当なURL、カーソルを合わせて表示される下部ステータスバー上のURLも正当なURL。でも実際のリンク先は悪意に満ちあふれたサイト」というものを作ることができる。これに短縮URLを混ぜ合わせれば「最強のインチキURL」技が作られてしまうことになる。

最近では当方あてに届くスパムメールや管理する掲示板、あるいは閲覧するコミュニティサイトなどでも「だましの技として短縮URLを使う」不届き者が増えてきている。送り手としては「短くなるから便利」というよりは、「見せたくないURLだから」として使用しているようだ。例えば楽天市場などのネット通販サイトのクッキーを食べさせたり、妖しげな情報商材サイトへの誘導を図ったり、先にもあげたようなウィルスやブラウザークラッシャーへのページに移行させるなどなど。

最近は特に、自分の販売する情報商材ページや勧誘サイトに、自分の紹介コード付で飛ばせるパターンが多い。恐らくは「紹介コードがついているとクリックされないだろうから、短縮URLで隠しちゃえ」という思惑なのだろう。また、話によると、そのような短縮URLの使い方を推奨している情報商材もあるという。

本来「便利に使ってほしい」という思惑から生まれたサービス「短縮URL」も、使われ方次第でイメージが180度逆転してしまっている。残念ではあるが現在では、「本当に信頼のおける人が記述した短縮URL以外は一切無視をする」のが一番賢い対応といえるだろう。

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