【更新】「アンネの日記」に登場したクリの木が虫害で伐採へ

2006年11月19日 08:00

書籍イメージ[YOMIURI ONLINE]によると戦争中の悲劇を日記の形で描いた名著『アンネの日記』で知られるユダヤ系ドイツ人のアンネ・フランクが、オランダのアムステルダムの隠れ家に潜伏中、屋根裏の小さな採光窓から毎日眺めて励みにしていたクリの木が、2007年1月にも伐採されることになった。虫害によるという。

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「アンネの日記」は第二次世界大戦の数々の悲劇を描いた作品の中でも世界的に知られている著書の一つ。ドイツ軍の追及の魔の手から逃れるために知人を頼りオランダに潜伏したアンネたちが、屋根裏の隠れ部屋で過ごした話が大半を占める物語。閉鎖空間の中で絶望的な毎日を過ごす大人たちに比し、可能性を夢見ながら健気に想像をふくらませて生きようとする生命力あふれる主人公アンネ・フランクの想いと、そしてそのような中でもやはり引き戻される現実の辛さが切々と語られている。

クリの木は推定樹齢が150~170年。4階から5階建ての近隣の団地よりも背が高い、「のっぽなご長老」。しかし専門家が年に2回行う検査で、蛾などに食われて組織の4割以上が駄目になっていることが判明。このままでは倒れて周囲に倒壊する危険性があるため、地主の許可を得てアムステルダム市当局が伐採することになった。

時代の流れと共にたとえ長老格の樹木であろうと衰え、退場を余儀なくされるもの。これは自然の摂理であり、避けようのない事実。とはいえ、寂しい気分にさせられるのもまた事実。その木が受けたであろうアンネ・フランクの「想い」を校正に伝えるため、一部でも植え替えるなり保存するなり、あるいは種か何かを採取するとか分枝し、別の場所で栽培するような方法はないものだろうか。


(最終更新:2013/09/15)

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