「ドロップシッピング」にも実店舗と同じ義務を、経済産業省がメス

2006年11月13日 06:30

インターネットイメージ[このページ(nhk.or.jp)は掲載が終了しています]が報じたところによると、新しいインターネット上のビジネスの手法として一部で話題を呼んでいる「ドロップシッピング」という手法について、特定商取引に関する法律などの各種法律に抵触しているケースがあるとして、【経済産業省】が調査に乗り出したことが明らかになった。

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「ドロップシッピング」とはその方法自身は前世紀末から存在していたものの、一部業者などがその手法自身の教育や普及もビジネス化したことで知られるようになった仕組み。「ドロップシッピング」をしたい人が (1)ネット上に店舗を開き (2)商品を扱う専門業者と契約を結び、(3)注文をネット上から受け取り (4)業者に注文を伝え (5)商品は直接業者からお客に送られる というシステム。

つまり従来のネット上におけるアフィリエイトシステムよりさらに一歩進んだ形で、実店舗側の作業の一部を、各ネット上のシステム利用者が取り組んだ形となる。アフィリエイトの場合は購入プロセスも実店舗業者側が行うため「お買い物はこちら」と誘導するだけの「誘導員」的立場だが、ドロップシッピングの場合は「お買い物の注文を承ります」としてオーダーまで受けることになる。

ドロップシッピングの場合はシステム利用者側がお客の注文を直接受けるため、品揃えや販売価格までを自由に設定できる。このため、事実上本物の小売店と同じように儲けられる、利ざやを設定できるのが最大の特徴。この特徴を大きくアピールし、商品を扱う専門業者や代理店が10社以上登場し、店舗を実際にネット上に開いた人は数万人にのぼるという。

しかしその一方、消費者を保護するための消費者保護法や特定商取引に関する法律では、販売者は名前や連絡先を明記することが法律で定められているにもかかわらず、専門業者の中には店舗を開く運営者に「記載の必要はない」と説明しているケースすら見受けられる。そのため、法律違反が相次いでいるという指摘が経済産業省に寄せられているという。このため経済産業省でも実態調査に乗り出し、契約などの内容について精査を行う予定とのこと。

元記事によれば【日本弁護士連合会】電子商取引部会の紀藤正樹弁護士いわく、「ブログやホームページで店舗を開いた人は、明らかに販売事業者にあたり、消費者に対して重い責任を負うことになる。匿名で事業を営むことは違法行為で、国は早急に対策を進めるべきだ」と述べているという。

元々「アフィリエイトと同じお気軽感覚で利益と商品を自由に決められる」といううたい文句で日本に普及をうながされた「ドロップシッピング」だが、実際にはネット通販における店舗展開と同じことをしていることになる。それらの店舗に義務化されている、特定商取引に関する法律などの義務が生じるというデメリットなどがほとんど語られず、結果として今回のような問題が生じることになったわけだ。

紀藤弁護士の言はもっともであり、今後「ドロップシッピング」は佳境を迎えることになり、一部の人には方向転換を余儀なくされることだろう。

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