【更新】NTTドコモ、「クローン携帯」の存在を公式に確認

2006年11月23日 13:00

[YOMIURI ONLINE]によると【NTTドコモ(9437)】の第三世代携帯電話である「FOMA(フォーマ)」において、端末から抜き出した個別認識用のICカードを別の携帯電話に差し込んで「クローン携帯」を作る手口で、中国などから不正使用したケースが少なくとも6件あったことが明らかになった。ドコモではこれまで何度と無く「クローン携帯」について報告を受けても「技術的に製造は不可能」とし否定していたが、今回はじめて社内調査で存在を確認し、認めざるを得なくなった。

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ドコモではこの「不正使用された6件」で、通話料を過大請求されたユーザーの損失26万円程度を賠償し、再発防止のためのシステム改修をしたとのこと。

元記事にもあるように「クローン携帯」そのものとその不正使用については、日本国内の三大キャリアであるNTTドコモ、【KDDI(9433)】【ソフトバンクモバイル(9984)】は3社とも「不可能」とし数々の報告を否定し続けてきた。しかし今回初めて実物を公的に確認したことで、ドコミでは公式見解の撤回も含め諸般対応を検討しているという。

これまでのMOVA(ムーバ)が携帯電話の個体=ユーザーの情報だったのに対し、FOMAではICカードがユーザー情報を固定化する単位として用意されている。ユーザーは入れ物に相当する「FOMAの携帯本体」を買い換えてICカードを差込み、自分の端末として認識させることになる。このICカードには所有者識別の15ケタの番号や各種承認用情報が暗号化され保存されている。これら情報がすべて一致した場合だけ、交換機が通話を受け付ける仕組みのため、ICカードを別の携帯に差し替えるだけでは使用できない仕組み。

今回不正使用されたクローン携帯では、すでに解約されているICカードが使われていた。本来は認証ではじかれて使えないはずだが、中国などの電話会社の交換機はすべての情報をチェックしているわけではなく、結果として通話ができ、不正使用されてしまった。また解約されたICカードの認識番号は、解約後2年ほどで別の人に再利用される仕組みのため、不正通話による料金が別の(元の番号ではなく、使いまわされた現在の認識番号の)人に請求されるという問題まで発生している。

ドコモでは今のところ不正使用者の特定や刑事告発など法的対応はしないとのこと。また、国内のシステムを改修して、ICカードの認識番号の再利用も止めたという。

海外の交換機の認識の甘さを突かれた結果ではあるが、自らの技術を過信して他所から上がってきた報告に耳を傾けなかったこれまでの姿勢は、問題視されるべきだろう。好意的に考えれば「対処する方法が確立できるまで、公に認めて報じると真似をする人が増えて被害が拡大するから」という判断だったのかもしれないが、迷惑を受けた当事者らにしてみればやるせない思いで一杯なのに違いない。

中国をはじめとする他国の電話会社の交換機のシステムに対しては、助言や要請をすることはできても強要は難しい。他国のシステムの「穴」から国内の端末の「スキ」を付かれることのないようなシステムの開発にいそしんでほしいものだ。

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