【更新】日立造船(7004)、造船事業から撤退と日経報じる。造船側はノーコメント

2006年11月11日 19:30

株式イメージ[NIKKEI NeT]は、【JFEホールディングス(3332)】【日立造船(7004)】から造船事業を買収する方向で最終調整に入っていると報じた。この話が実現すれば、日立造船は造船大手では初めて本業から事実上撤退することになる。今件について日立造船側では昼前に見解を発表し、基本的にノーコメントであるとした。

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記事によるとJFE側では両社折半出資で造船第二位の「ユニバーサル造船」の日立造船側が保有している株式を買い取る形で話が進められている。一方日立造船では環境事業中心に会社そのものの建て直しを図る。造船業における大型再編は2002年のユニバーサル造船誕生以来であり、同業他社に与える影響も少なくない。分析では今件は資材価格高騰に伴う採算悪化に加え、今後はアジア勢の追い上げが一段と厳しくなるためであり、今後も再編が行われる可能性は否定できないとのこと。

株式の受け渡しについては、「日立造船がユニバーサル造船株式の売却をJFEに申し入れた」「JFEはこれを了承する方針」「完全子会社化のための全部取得を目指しているが、日立造船が多少の株式を手元に残す可能性もある」「買収額は数百億円になる」「早ければ今月末にも最終合意に達する」ということが元記事では語られている。

これに対し日立造船では[お昼前に見解を発表(PDF)]、この中で「上場、再編等も視野に入れた諸施策について、JFEと協議している」「本件について現時点でコメントできることはない。決定した段階で公開する」「日立造船グループの事業には船舶用エンジンをはじめとする造船関連事業が含まれており(造船事業からの撤退はこれらの事業からの撤退も意味することになりかねず)、現時点では造船事業から撤退する計画はない」とコメントしている。事実上「ノーコメント」と受け止められよう。

経済番組などで、特に中国の輸出入関係で造船・輸送業が活況で、特に大型船・タンカーはいくらあっても足りないという話を幾度と無く耳にしている。「輸送も造船も好景気なのか」と思いがちだが、このような業種でもやはり好調なところとそうでないところがある、ということなのだろうか。

また、日立造船のリリースをよく読みなおすと、何度と無く「今後」「現時点」という、「今のところは」を強調するワードが出ているのが気になる。「今はまだ公開できないから」というニュアンスがそこかしこに見受けられ、日立造船の造船業からの完全撤退はともかく、何らかのドラスティックな動きを目標とした話し合いが、JFE・日立造船・ユニバーサル造船間で行われていることがうかがい知れよう。

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