2006年10月08日
歩くだけでもエネルギーが出来る!!JR東日本(9020)、東京駅で振動力発電「発電床」の実験開始
【産経新聞】が報じたところによると【JR東日本(9020)】は10月16日から東京駅で、乗客が改札を通る際の振動で電気を起こす「発電床」(振動力発電)の実験を開始する。「乗客が歩く力だけで自動改札機を動かすのが目標」とはJR東日本のコメント。
この「発電床」は音楽用のスピーカー(あるいはマイク)と同じ原理で、スピーカーとは逆に乗客が床を踏む振動から電力を取り出す。この実験装置は東京駅の丸の内北口にある自動改札の通路6か所に設置する。
記事によると一人が改札を通過するごとに約70~100ミリワットを発電。この電力量は改札脇に設けるパネルで表示する。1日約70万人が利用する東京駅の全改札に設置したとしても発電量は100ワット電球が10分ほど点灯する約70キロワットに留まるという、発電量の少なさ、効率の悪さが最大のネック。
実験は12月中旬まで行われ、その後乗客が多いターミナル駅で自動改札機や案内表示、照明などの電力をまかなえるよう研究を進めるとのこと。
この「発電床」の研究はJR東日本のグループ会社である【JR東日本コンサルタンツ】と【慶應義塾大学SFC研究所】 の共同開発によるもので、鉄道施設向けの研究としては他に「横波スピーカー」(老人や難聴者にも聞きやすい、駅構内・社内用のスピーカーの研究)、「GPSプロジェクト」(列車位置把握などGPSの鉄道分野での応用)などが行われている(【参照ページ】)。
リリースによるとこの「発電床」は「人が歩くときやものが移動する際に生じる振動のエネルギーを床材に仕組まれた圧電素子に歪みを与えて発生するピエゾ効果による発電を利用」してできるものとのこと。エネルギー変換効率は「一歩ごとに約0.5W/s」とあり、その効率性向上などについては(現在のところ)公表されていない。
音も波動も「動き」もエネルギーが姿かたちを変えたもので、方法さえ与えられればその姿を相互に変換しうる(光もまたしかり)。その意味ではすべての「動くもの」はエネルギーに変えられる可能性を秘めているわけで、「多くの人が行き来する改札で、その人の動きをエネルギーに変えられないか」という発想はコロンブスの卵的なところがあるが、興味深く、そして有意義な話であろう。
今現在はエネルギーの変換効率が最大の問題点であり、このままでは「設置費用やエネルギーが、設備を利用して得られるエネルギー以上かかってしまう」というお間抜けな結果におちいりかねない。が、効率の向上は技術開発によってどうにかなるものだ。太陽光発電・太陽電池もかつては熱効率、エネルギー効率の悪さで軽んじられていたが、今や化石燃料の代替エネルギー手段として重要な位置を占めている。この「発電床」とてそうならないと誰がいえよう。
今後のJR東日本の実証研究の結果や、関連機関の研究開発の進展に期待したいところだ。
これらの書籍が参考になります
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