アメリカで選挙をテーマにしたオンラインゲーム「Fantasy Congress」に注目が集まる

2006年10月31日 12:30

Fantasy Congressイメージ[このリンク先のページ(Cnn.co.jpなど)は掲載が終了しています]が報じたところによると、11月に中間選挙をひかえたアメリカで、政治をテーマにした新しいオンラインゲーム【Fantasy Congress(ファンタジー・コングレス)】が注目を集めている。元々選挙をイベントの一種としてとらえ、さまざまなメディアで「ネタ」にすることが多いアメリカだが、このようなゲームは身近なテーマであるだけに、熱中度も高いようだ。

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この「Fantasy Congress」でプレイヤーはそれぞれアメリカ議会の実際の議員を集めて架空のチームを作り、各議員の実績をポイントに換算して勝敗を競うというもの。アメリカでならアメフト、日本でならプロ野球をテーマにした「チーム運営・経営シミュレーション」が流行っているが、その政治・選挙版といったところか。記事によると10月23日にスタートしたばかりだが一週間で6000人もの人が参加しているという。

「Fantasy Congress」
「Fantasy Congress」トップページ。ゲームというよりシミュレーターの雰囲気
「Fantasy Congress」議員画面
「Fantasy Congress」に登場する「実在する」議員画面。先にYouTubeで不遜な発言が公開され、ある意味有名になったGeorge Allen上院議員を表示してみた

ゲームでは、チーム内の議員が提出した法案などが議会で支持され、成立にこぎ着けるかどうかでポイントが決まる。実際のアメリカ議会は中間選挙に向け休会に入っているため、現在は9月のデータを再現してゲームが進行している。とはいえ、ほぼ直近に近いデータが反映されているため、リアル度は高い。

人々がスポーツと同じくらい
政治にも興味を持てば
それは民主主義の発展につながる
……アンドリュー・リー
(「Fantasy Congress」開発者)

「Fantasy Congress」を考案したのはロサンゼルスの大学生たち。学校主催のコンテストに出品して賞金5000ドルを獲得し、その賞金とボランティアによって運営している。開発者の一人いわく「人々がスポーツと同じくらい政治にも興味を持てば、それは民主主義の発展につながる」「議員の方も、スポーツ選手と同じように注目されていることを自覚する必要がある」とのこと。

日本では想像もつかないが、アメリカではアメフトを題材にして実際の試合結果と連動したデータが用いられる経営・運営ゲームが大人気で、シーズン中には3700万人もの人がプレイに参加しているという。そのゲームプレイによる職場での生産性の損失は11億ドル/週にも及ぶ。

Power Politicsイメージリード文でも触れたように、アメリカでは昔から選挙をゲームのテーマとして疑似体験し、楽しむ傾向がある。社会的・法律的にそれを許す風潮があるのと共に、政治に対する親近感や意志の強さがその傾向を後押ししているのだろう。かつて民主党・共和党の二大政党体制にくさびを打ち込もうと第三の勢力としてロス・ペロー氏がアメリカ改革党を結成し、かなりの線まで健闘した1992年前後には、大統領選挙をシミュレートする意味もこめてさまざまな「選挙戦シミュレーション」が登場した。パッケージを掲載している『Power Politics』はその代表作で、1960年以降1992年までの大統領選挙が再現でき楽しめるという優れもの。アマゾンのデータにもこのソフトのファミコンへの移植版(?ファミコンのソフトが手元にないので未確認)の『データが残っている』。

日本では政治に関する慣行や法律上の問題から、似たようなソフトをそのまま発売するのは難しいかもしれない。特にパラメータの設定ではひと悶着あることだろう。しかし公職選挙法も改正されることだし、そろそろ日本でもこのようなゲームが登場しても良いのではないだろうか。政治への関心や親近感を高める点では間違いなくプラスになると思うのだが。


(最終更新:2013/09/15)

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