【更新】低迷続く夜間取引、カブドットコム証券(8703)の苦悩も続く

2006年10月17日 07:00

株式イメージ産経新聞に【カブドットコム証券(8703)】が9月15日から開始した夜間取引に関する興味深い記事が掲載されていた([該当記事])。同社の夜間取引が離陸後低空飛行を続けていることはすでにお伝えしたとおりだが、その内容についてより細かなデータが掲載されており、説得力があるものだ。

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カブドットコム証券による夜間取引は私設取引所(PTS)システムを用いた日本国内では初の取り組み。それだけに関係各方面の期待の目も集めていたが、フタを受けてみると低調な取引が続いているという。今のところ売買代金がもっとも大きかったのは初日の9月15日で1億7000万ほど。しかもその少なからぬボリュームがカブドットコム証券株式だった。さらにこの額ですら、昼間の取引の2%弱に過ぎず、現在では1億円を下回る日も多い。平均すると9000万円/日。目標とする昼間の20%程度には1割すら満たない状態だ。カブドットコムの担当者いわく、「注文は結構出ているが、売値と買値が合わず取引が成立しないケースが多い」とのこと。

個人レベルでの誤発注のような値動きはたびたび観測されるものの、システムトラブルや不公正取引などの問題は起きていない。運営自体は順調なだけに、閑散としている状況は返す返すも残念なことだ。

カブドットコム証券では起死回生の案として他社にも門戸を解放、取引高を増やすことでスムースな売買をうながし、スパイラル的に状況が改善されることを模索している。

一方夜間取引といえば、【マネックス証券(8698)】による夜間取引【マネックスナイター】が知られている。こちらは8月15日以降の取引額が1日平均3億3000万円前後と、以前に比べて2割ほど伸びるなど好調を続けている。カブドットコムによる夜間取引スタートが報じられても影響が無いのは驚き。

マネックスいわく、「競売買方式では買いたい人は終値より安く、売りたい人は終値より高く注文を出すので、取引が成立しにくいと思っていたが、そのとおりの結果が出ている。(当社の)終値という一本値での取引の優位性がはっきりした」と分析し、自社システムでの夜間取引の優位性・合理性を強調している。

両社の分析や実際の売買データから察するに、少なくとも現状では個人投資家にとって「夜間取引」とは「昼間取引」と相並ぶものではなく、あくまでも「昼間取引をサポートするもの」に過ぎないものであると考えているようだ。だからこそ、昼間取引での終値をベースにした売買注文を出す傾向が強く、結果として売り買いの思惑が一致しにくいのだろう。

もっとも夜間取引の参加者が増えてくれば、色々な思惑が錯綜するため、昼間取引のようなやりとりが交わされるようになる。それこそがカブドットコム証券が本来待ち望んでいた状況なのだが、現状ではうまく機能していないようだ。

集客が先か取引の正常化が先か。まさにニワトリか卵か的な問題がカブドットコムの夜間取引に投げかけられている。知恵をしぼって工夫をし、状況の改善をはかることができれば後は「参加者が増え、取引が正常化され、市場が活性化し、さらに参加者が増える」という売買ゲームが推測されるだけに、カブドットコムにはがんばって欲しいものである。


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(最終更新:2013/08/25)

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