幸楽苑(7554)、ラーメンヒットで社長クビ!?

2006年10月26日 07:30

幸楽苑イメージラーメンチェーン店の【幸楽苑(7554)】は10月24日、業績の下方修正を発表、同時にこの責任を取る形で長谷川利弘社長が取締役に降格することを発表した(【業績予想の修正に関するお知らせ、PDF】【代表取締役の異動に関するお知らせ、PDF】)。現会長の新井田傳氏が社長を兼任することになる。

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290円中華そばイメージ発表された2007年3月期通期連結業績予想によれば前回発表時において経常利益・当期純利益予想がそれぞれ+13億7400万円・+4億6700万円だったのが、今回の修正で+8億100万円、-1億6200万円となり、最終赤字が予想されることになった。その原因として挙げらているのが、同社が主力商品として5月に導入した「290円中華そば」。

リリースによれば赤字の原因として、「低価格商品『290円中華そば』の全店導入により、原価率が計画対比及び前年対比で約2ポイント上昇したことにより、経常利益及び当期純利益は大幅な計画未達となりました」と説明されている。この「290円中華そば」は同業他社に対抗するため設けられた商品で、大ヒットとなり、結果としてお客の6割が注文するほどの看板メニューとなった。しかし従来の価格390円から100円もの値下げは採算的には非常に厳しく、原価率が上昇し、今回の業績予想にあるように「売上は伸びているが利益が上がらない」という結果に陥ってしまった。まさにラーメンなだけに「どんぶり勘定」となったといわれても否定できない。

この責任を取り、長谷川利弘社長は平の取締役に降格、実質的な創業者の新井田傳会長が社長を兼任することになった。ただし一部報道にもあるように、この290円中華そばは販売を継続し、店舗運営の改善で黒字化を目指すという。

当方(不破)がかつてIR説明会で幸楽苑の話を聞いたとき、「幸楽苑をラーメンチェーン店の世界におけるマクドナルドにする」という話をしていた。つまり国民食であるラーメンをマクドナルドのハンバーガーになぞらえ、それほどのメジャーな店舗にするという話であった。マクドナルドを目指すために低価格商品を展開し、ぎょうざなどのサイドメニューを一緒に購入してもらうというセールススタイルは興味深いものがあるが、マクドナルド同様に財務的に頭を抱える状況におちいったのではお話にならない。

「290円中華そばの販売は継続する」ということだが、それならばなおさら今後は原価率の改善や経営の合理化が求められることになるだろう。むしろこれをよい機会とし、躍進してほしいものだ。

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