ベクター(2656)、ウイルス感染問題に関する再発防止策を発表

2006年10月06日 06:30

先に【ベクター(2656)、ウイルス感染ソフトの掲載を確認、感染タイトル数は3986】でも報じたように、ソフトウェアダウンロードサイト運営会社の【ベクター(2656)】で発生した「サイト内ファイルのウィルス感染事件」に関して同社は10月5日、発生事象の検証と原因の究明、再発防止策の検討に関する声明を発表した(【発表リリース、PDF】)。事件発覚から約一週間での発表という、この類の事件としては異例の速さといえる。

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リリースによればまず、10月3日に発表したデータについて幾分の差異があり、実際に配布されたウィルス感染のソフトは155タイトル(前発表では807)、配布回数は1107回(同じく7873)だったことが明らかにされた。これは精査の結果感染が一度にではなく、段階的に広がったことが判明したため。

発生原因については大きく2点をあげている。1点が「ウイルスチェックを1社の対策製品に依存していた」こと。該当する製品が、今回の騒ぎのもとになったウイルスへの対応が遅れていたのが感染発見の遅れにつながった。もう2点は「ウイルスチェックの環境分離が不完全だったこと」。

さらに再発防止策として「ウイルスチェック対策製品を複数化」「チェック環境を分離化しネットワークから隔離」「作業環境全体の安全性を確認するチェック体制を強化」の3点をかかげて即時実施、さらに今後は「受付ファイルの作業環境をネットワーク的に分離」「作業環境内にウイルス活動を監視する装置を配置」「社内でのファイルの保管方法の見直し」を実行予定としている。

詳細はリリースで確認して欲しいが、さすがにソフトのダウンロードを本業とする会社であるだけに、そのソフトの安全性には全力を尽くして対応している様がうかがえ、好感が持てる。他社もこの系統の問題が発生した場合には参考にしてほしい、とすら思えるほどだ。

「本業に関わる部分でのウイルスや情報漏えい問題」といえば最近特にネットワークゲーム運営会社で似たような話が相次いでいる。何度と無く記事でも取り上げているが、「最低限の対処しかしていないように見える」会社と、今回のベクターのように「全力を尽くしトラブルをむしろ業務の改善に活かせるように発奮する」な会社に二分されているように見受けられる。投資家の立場としてどちらを応援したくなるかは、あえて言うまでもないだろう。

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