市場見通しは「天井感」、三か月後の日経平均は-1000円から+2000円のレンジ

2006年10月07日 07:30

【野村證券金融経済研究所】は10月5日、個人投資家の株式投資動向についての調査結果を公表した(【ノムラ個人投資家サーベイ(2006年10月)】)。それによると株式市場における先行きについてはやや先詰まり感が見られ、市場・心理的要因関連の調査もそれを裏付けていることが判明した。

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野村證券では2006年4月から毎月個人投資家への調査を行いその統計データを分析、個人投資家の投資傾向を勘案して算出する「ノムラ個人市場観指数(Nomura I-NIC Index)」を公表している。調査は個人投資家モニター約1万1500人を対象に行われ、回答数1000件を確保した時点で締め切る方法を採用。今回の調査結果は9月26日に行われたものとのこと。男女比は男性対女性が7対3。

調査結果によると市場観指数は3か月ぶりに上昇し、株式市場における個人投資家の下値不安が薄らいできたと推測。その一方、先月に見られた先行きの積極化の動きがやや後退する様子も見られるという。つまり「株価の底堅さが数か月の動向で裏付けられて安心したものの、この先さらに株価が上昇するかどうかは分からないので買い進めても良いか迷っている」という、一言でたとえるのなら「天井感」を感じている様相がうかがえる。

ノムラ個人市場観指数の推移
ノムラ個人市場観指数の推移

三か月後の日経平均の見通しについては、9月25日の日経平均1万5633円に対しどれほど変化しているかという質問に対し「1000円程度上昇している」と答えた人が48.6%ともっとも多く、「2000円程度上昇」「1000円程度下落」がそれに続いている。「2000円プラスから1000円マイナスのレンジ、やや上昇傾向が強い」という表現で納めれば、87.9%の意見を集約できる。投資家心理としてもこの範囲で値動きがあるという推測をしていることになる。「天井感」とやや矛盾するように見えるが、2000円の上昇幅は誤差の範囲、という認識なのだろう。

三か月後の日経平均の見通し
三か月後の日経平均の見通し

注目したいセクターとしては「情報・通信等」「医薬品・ヘルスケア」「資源関連」が上位3位を占めた。ただ前月上位は「資源関係」が最上位だったのに第三位に落ちたのは、ロシアの「サハリン2」やイランの問題など、国外資源に関する不安定要因が話題になったことも大きな要因であると思われる。

また、「短期・長期を問わず保有したい銘柄、あるいは注目してきたい銘柄」のランキングでは、[トヨタ自動車(7203)][ソフトバンク(9984)]【ソニー(6758)】【東京電力(9501)】【ミクシィ(2121)】【カゴメ(2811)】【任天堂(7974)】などが上位を占めた。これはあくまでも9月25日の段階での調査結果なので、現在において「電池問題が顕著化したソニー」「株価が急落しているミクシィ」「Wiiなどで堅調さが続き年初来最高値を続けている任天堂」などが次回調査でどのような動きを見せるのか注目したいところだ。また、並み居る大手企業の中でカゴメが上位に位置しているのは、同社の個人投資家への積極的なアプローチが功を奏しているという表れだろう。

野村證券金融経済研究所では今後も毎月このようなレポートを配信する予定とのこと。当サイトでも毎週記事化しているゲームランキングのように、毎月のペースで当レポートを参照し「関心の高い銘柄ランキング」の転載とその分析・解説をしてみても良いかな、と考えている。請うご意見。

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