米ソニー上層部「任天堂はユーザーを失っている。ゲーム人口を拡大するのはPSP」とコメント

2006年09月26日 06:45

ゲームイメージ【Engadget Japanese】の記事によると、ソニー・コンピュータエンタテインメント アメリカのエグゼクティブVP兼Co-COOであるジャック・トレットン(Jack Tretton)氏はゲーム業界ニュースサイト【GameDaily BIZ】の中で、ソニーの戦略や他社との競争について語り(【Interview: SCEA's Jack Tretton】)その中で「ニンテンドーDSはPSPに負けているだけでなくほかのゲーム機にもかなわない。多くのユーザーを失っている。その一方でPSPは新しいユーザー層を開拓しており、地球規模の支持者を集めるだろう」とDSと比較する形で同社の携帯ゲーム機PSPの素晴らしさを強調した。現状認識などの点において、同氏の発言が業界内外で話題を集めている。

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エグゼクティブVP兼Co-COO(Cheif Operating Officer)とは要するに「現場サイドに近い副社長」と表現すればほぼ間違いなく、経営陣においてきわめて上層部の人物である(【一覧参照】)。

トレットン氏による「PSP大盛況、ニンテンドーDSは体たらく状態」のコメントについて、元記事による日本語訳と、さらに大本の英語原文を、「公正さをきすため」あえて引用してみる。

「PSPは据え置きゲーム機におけるプレイステーションそのもの。われわれは新たな道を切り開き、かつて携帯ゲームで遊ばなかった層、ゲームボーイの技術やソフトウェアに魅力を感じなかった20代のユーザを開拓した。」

(We really feel we carved out new territory [with the PS1] and then we built upon that with the PS2. The parallel that we draw to the PSP is that it is exactly the same to portable gaming to what the PlayStation was to console gaming, that we are carving this new road out and we are selling again to 20-something consumers that were not fans of portable entertainment, were not playing Game Boys because the technology and the software offerings just weren't appealing to them... And now because of the technology in PSP and the game offerings it appeals to them and that same consumer we carved out with the PlayStation is now being carved out with the PSP at an even much greater rate than we did with the original PlayStation. There's a lot of PlayStation legacy there that we've been able to capitalize on that we didn't have back in 1995, but I think it's very similar in terms of carving out a new audience and that new audience has generated $2 billion in revenue in the 17 months that the PSP has been out.)


「ニンテンドーDSが訴求しているのはゲームボーイと同じ層。発売から17カ月の普及率を見れば、DSはPSPの後塵を拝しているだけでなく他のプラットフォームにも負けている。任天堂はコアとなる客層を潜在的に失いつつあり、それ以外の層にもほとんど拡大できていない。

その一方で、PSPはまったく新しいユーザ層を開拓している。ソニーはかつてプレイステーションで実現したのとまったく同じことを実行する。今後は若年層にも浸透を進め、いずれわれわれ自身が初代プレイステーションで開拓した地球規模の巨大なオーディエンスに訴求するだろう。」

(I think obviously our competition, the handheld devices from Nintendo and specifically in the case of the DS, we really feel like they're appealing to the same audience that Game Boy has always appealed to. And if you look at the adoption rate of the DS over the first 17 months, not only does it trail the PSP but it also trails their other platforms... They're potentially losing some of their core audience and they're not really expanding beyond that and we think we're expanding into a completely new audience as we did with PlayStation. And we'll do just what we did on PlayStation; we'll dip down to the younger consumer eventually and we'll ultimately appeal to that vastly Earth wide audience we carved out with the original PlayStation.)


元記事でも指摘されているように、トレットン氏はあくまでもSCEアメリカの重役であり、日本のそれではない。アメリカの携帯ゲーム機市場では日本ほどPSPはニンテンドーDSに対して苦戦しているわけでもなく、上記おおもと記事でも「(日本におけるDSの成功を認めたうえで)PSPはDSより多く売れている」とコメントしていることからも、トレットン氏のPSPにかける意気込みと自信が何のブラフでもなく、本心で語っていることが推定される。

ゲーム専門サイトへのインタビューということ、さらに内容が内容なだけに、日本国内におけるゲーム専門誌でピックアップされることはないだろう。だが、それだけに重役陣の本音、あるいは認識の現状の一端をかいま見れる貴重な発言といえる。

少なくともPSPユーザーにとって、非常に頼もしく、そして心強い発言であることだけは誰の目にも明らかだろう。当方(不破)は現在ニンテンドーDSもPSPも持ち合わせていないため実物を動作させた上での感想はひかえさせていただくが、少なくとも日本国内の現状をかんがみるに、トレットン氏の「思い」が現実化するには相当の努力と忍耐と奇跡と奇抜なアイディアと幸運が必要になるものと思われる。

ちなみにおおもとのGameDaily BIZでは【トレットン氏のインタビューのパート2】も掲載されている。こちらはインタビュアーとの質疑応答式での内容となっているが、こちらでは先日日本国内における値下げが発表されたプレイステーション3に関して大いに語っている。こちらも機会があればどこかで日本語訳化されることだろう。少々機械翻訳で目を通してみたが、概要としては今回ピックアップされたのと同じような論調、とだけコメントしておこう。

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