ジャスダックが誤発注防止対策導入、ソフトの警告と人的確認

2006年09月23日 07:00

株式イメージ【ジャスダック証券取引所】は9月22日、上場株式の30%以下の注文でも売買監視の担当者が直接、証券会社に電話などで注文内容を確認できる「ソフトリミット」の運用を開始すると発表した。いわば「ホットライン」の積極的活用とその運用のための警告システムの導入で、誤発注の発生のチェック体制を強化する狙いがある(【参考:Mainichi INTERACTIVE】)。

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株式取引の誤発注といえばたいていが大量の枚数の売買注文によるものだが、これを防ぐためにジャスダックなど各証券取引所では、上場株式の30%を超える注文が入った場合、自動的に注文を受け付けない「ハードリミット」の運用を実施している。今回ジャスダックが導入したのは、30%未満の注文でも「おかしい」と判断されたものについては人的介入を伴って注意できるシステム。

ジャスダック側では9月25日から、上場株式の比率が5%と1%をそれぞれ超える売買注文やマーケットメーカーの気配がシステムに入った場合、取引所から管理端末に警告音を発したり特殊なウィンドウがポップアップし、注文が正しいのかどうかについて警告する。監視担当者はこれらの動きを元に、必要に応じて発注元の証券会社にホットラインを使って注文の確認を行い、状況に応じて売買停止処分を行う。人的介在によるものでもないよう確認と場合によっては「しかるべき作業」は1分以内に可能だという。

過去の事例を見る限りでは、誤発注は「うっかりミス」「警告無視」などによるところが大きい。今回システム的に誤発注の可能性がある注文にアラートを鳴らすシステムが導入されるのは良いが、何か相場が動くような事象があった際に次から次へと「誤発注かも」ウィンドウが開き、担当者の作業がおいつかなくなった場合はどうするのかという懸念がある。

また、アラートの精度が過敏すぎて、実際には誤発注ではないのに「誤発注かも」という注意が相次いで慣れてしまい、本当の誤発注を見逃してしまう可能性も否定できない(昨今の誤発注は証券会社によるこのパターンが多い)。誤発注を防ぐには賢いシステムの導入は必要だが、それ以上に人材の育成にも注力すべきだろう。

とはいえ実際のところ、先の【ジェイコム(2462)】騒動のように「発行枚数以上の株式が売買される」という特殊事情を除けば、たとえ誤発注でもある程度は約定を通すべきではないかという感じがしなくも無い。機関投資家や証券会社による誤発注は「取り消し可能」で、個人投資家による誤発注は「取り消しできない」という、いわば「ダブルスタンダード」がまかり通ってしまいかねないからだ。両者の間で、誤発注した際の損失は桁違いのものがあるのだろうけど。

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