タイのクーデター勢力、権力掌握を発表。タクシン現首相はロンドンへ向かう

2006年09月20日 12:30

時節イメージ【NIKKEI Net】の報によると9月19日にタイの首都バンコクで発生した軍によるクーデターで、軍のスポークスマンは「軍と警察で構成する民主改革評議会が全権を掌握した」と発表、首相が発した非常事態宣言を無効とし、改めて全土に戒厳令を布告した。現在反首相派のソンティ陸軍司令官が首相職を代行、近く暫定首相を指名するとのこと。

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国連総会に出席するためアメリカ・ニューヨークに滞在していたタクシン現首相は国連総会での演説予定輪を取りやめると共に、タイへ帰国はせず、家族のいるイギリス・ロンドンに向かうという。また、首都バンコクの首相府など政治中枢機関にはM60やM48と思われる戦車や完全武装した兵士が集結しているものの、武力衝突や混乱はなく、市内は平穏なもよう。

今回の一連の出来事は、タクシン首相一族の株式売却による不当利益取得疑惑に端を発した政局迷走の結果といえる。首相はタイに戻ることなく退陣に追い込まれる可能性はきわめて高くなった。

外務省では今回の政変を受けて【海外安全ホームページで勧告を発している】。それによると現在陸軍司令部、アナンタサマーコム宮殿、チットラダー宮殿などに戦車などが配置されているものの、一般道路では民間車両も通行しており、全般的に大きな混乱は起きていないという。ただ、今後情勢が変化する可能性もあり、「タイに滞在されている方は、情報収集に努め、念のため、自宅・ホテル等安全な場所に待機してください。また、宮殿、首相府、官公庁等周辺、大規模な集会や兵士などが集まっている場所には近づかないよう注意してください。他方、タイへの渡航を予定されている方は、状況が明らかになるまで不要不急の渡航を差し控えるようお勧めします」としている。要は「野次馬根性で首を突っ込むな」ということ。

なおタイへの離発着便については現在のところ特別の混乱はないという。

また、民主改革評議会は1997年に施行された現行憲法を停止。上下両院の解散、全閣僚の辞任、憲法裁判所の機能停止などを決めた。一方、プミポン国王の事業に提言する枢密院は存続。高等裁判所や刑事裁判所なども業務を続けるとのこと。また9月20日午前9時(日本時間で11時)に新政策を公表するとし、各省庁の次官や大学学長らに対し、陸軍司令部に集まるよう指示。「権力はできるだけ速やかに国民に返還する」と説明している。

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