通販サイトで流行るもの、涼宮ハルヒと鼻毛カッター

2006年09月12日 19:35

鼻毛カッターイメージこの【Mainichi INTERACTIVEの記事】を読んで飲んでいたコーヒーなりお茶を吹き出し、キーボードを湿度120パーセント状態にしてしまった人もいるのではないだろうか。通販サイト『アマゾン.co.jp』を利用したり個人情報サイトなどでアマゾンの広告をよく見かける人は必ず一度、いや何度と無く目にしているであろう『鼻毛カッター』の解説記事が掲載されていたのだから。

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アマゾンで売り上げランキングの上位に常に位置し、何か妙な魅力なり謎の信仰団体でもあるのではないかとまで疑いたくなる鼻毛カッター。サイト運営者の間でもひそかに語られてきた謎のアイテムだ。元記事にもあるように『ホーム&キッチンストア』部門で2006年上半期でトップに輝き、2005年の年間1位に続く偉業を成し遂げている。

鼻毛カッターランキングイメージちなみに今改めて見てみたら、やはりトップは元記事にもある日立製の鼻毛カッターだった。トップテンには鼻毛カッターがいくつも並び、ライバルの耳毛カッターの姿も見える。ライバルなのか、耳毛は。

アマゾンのセールスデータを見る限りでは、鼻毛カッターは日本国内で大ブームのようだ。しかしマスコミでは鼻毛カッターの姿を見たこともないし、アイドルタレントが顔をアップにしつつ鼻毛カッターを鼻に挿して鼻毛を切り「これですっきりさっぱり」とさわやかに微笑むようなテレビCMなど見たことも無い。いやむしろ見てみたい気もする。

ではいったいどうしてここまで売れているのか。元記事によると、

・電気かみそりの780万台(2005年度)に比べ鼻毛カッターは50万台。ネット通販ヒットは局地的現象といえる。
・家電店では買いにくいので女性が買っているのではないか。
・お手軽値段なのでついほしくなる「すき間商品」的存在。
・本と一緒に買って1500円以上にして手数料を無料にするアイテムとして役立つ。


などが原因として挙げられるという。女性は購入しても恥ずかしさゆえにアンケートにも答えにくいので、データとしては現れにくいが確実に女性にも売れているとのこと。

元記事では鼻毛カッターの利用上の注意点についても語られている。後学のため簡単にまとめると

・鼻毛の抜きすぎで病気を引き起こすことがないように(鼻毛は身体にさまざまな恩恵を与えている)
・鼻毛は切るのであって抜かないこと。
・切るときは鼻中隔の入り口付近に注意。ここを切ると鼻血が出まくる。


ということのようだ。

鼻毛カッターは元々それなりのニーズはあった。しかしネット上で何度と無く目にすると慣れ親しむというか習性付けられるというか洗脳されるというか。値段も手ごろだし試しに買ってみるか、という人も多いのだろう。鼻毛カッターについて詳細に言及しているサイトはあまり見かけないが、アマゾンの広告配信プログラムを利用しているサイト・ブログは山ほどあり、売り上げ順にアイテムを表示するツールを使っているところも多い。いつ閲覧してもそれらのサイトにあの独特の形をした鼻毛カッターが並べられているとなれば、ついつい気になるというものだ。

ネット上で大いに告知され情報が伝わりセールスをあげた商品といえば、最近では『涼宮ハルヒの憂鬱』が記憶に新しい。一時期アマゾンの売り上げランキングを独占したこのアニメ・小説はやはりネットの口コミ効果(バイラル・マーケティング)によるところが大きい。元々質の高いアニメとして提供されたという前提はあったが、動画配信サイトYoutubeで次々に流されて多くの人の目に触れたことだけでなく、サイト上のアマゾンをはじめとする各種広告媒体が『涼宮ハルヒの憂鬱』に長期間いわば「占領」されたのを覚えている人も多いだろう。誰だって何度見ても「涼宮ハルヒ」というキーワードがずらりと並んでいるのを目にすれば、気にならずにはいられない。

相互情報性の強いネットのシステムは最近ではweb2.0と語られているようだが、そんな堅苦しい言葉を用いなくとも、『涼宮ハルヒの憂鬱』も「鼻毛カッター」も、「いくつかの条件がそろうことでネット上の口コミは爆発的に効果をあげる」「質の良いすき間アイテムがこの恩恵を受ける幸運を授かると、とたんにヒット商品になる」ということの実証に過ぎない。アマゾンが提唱しているロングテールの法則も絡んでくるだろう。

当方はといえば、他のサイト管理者同様鼻毛カッターにはそれなりの注意と興味を持っていた。だが今回の元記事の調査分析で、「鼻毛カッターのニーズは女性にある」ということが分かり、その意外さに驚かされたというのが第一印象。

ネットの世界には常に新しく、面白く、好奇心をくすぐり笑い転げさせてくれるような秘密が山ほど用意されていて、日々色々な人に発掘されるのを待っている。まさに「とかくこの世は面白い」を元記事や鼻毛カッター、『涼宮ハルヒの憂鬱』で知ることが出来た今日この頃である。


■関連(?)記事:
「涼宮ハルヒと鼻毛カッター」(お試し書き)


(最終更新:2013/09/16)

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