なぜか余るくじら肉、水産庁が売り込み続けるも値段は高め

2006年09月11日 06:30

くじら味噌カツバーガーイメージ【asahi.com】によると、かつては貴重なたんぱく質の摂取源であり、今では絶滅するとかしないとかで捕獲が制限され世間一般にはほとんど流通しなくなった「くじらの肉」が余っているという。商業捕鯨は1988年以降禁止されてしまったが、調査捕鯨が拡大され、供給量が増えているのだという。その一方流通ルートがほとんど無くなり、結果としてだぶつき状態という次第。

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くじら肉を管理している【水産庁】では「健康食」として、学校や病院への売込みをはかり、それに応える形で給食や新商品に取り入れる学校、外食産業も出始めている。くじら肉は低カロリー・低コレステロールという特異性や、若い世代には意外性・年配の人にはレトロ感覚、懐かしさから人気があるという。だぶつき気味のくじら肉の需要を増やすため、水産庁の後押しで作られた【鯨食ラボ】ではくじら肉の流通網の確保と拡大、くじら肉の普及のため営業活動を必死になって続けている。

調査捕鯨の拡大でくじら肉の供給は10年前の倍以上になったという。来年には5500トンが捕獲される予定。しかし商業捕鯨の禁止から流通網がほぼ無くなり、消費が追いつかない。昨年末で3900トンものくじら肉が在庫として余っている状態。

くじら肉の生産量推移
くじら肉の生産量推移

調査捕鯨の母港、北海道函館市周辺でハンバーガー店を展開する【ラッキーピエロ】でくじら味噌カツバーガーを発売するなど、努力のありようも見て取れるが、世間一般にはなかなか見受けられない。100グラム450円、ベーコンブロックでは100グラム2500円もする値がつけられることもあるという。年間捕鯨費用の60億円をまかなうため卸値を下げることもできず、流通網の不足から一般店頭価格も卸値の3倍ほどに跳ね上がる始末。

「流通量は増やしたいが値は下げられないしあまり派手に宣伝するのもはばかられる」という、複雑な状況におかれているくじら肉。特にかつての学校給食では豚肉や牛肉の代わりとしてよくメニューに取り入れられ、「くじら肉の竜田揚げ」は人気のおかずのひとつだった。あのころの味を懐かしむ人も多いことだろう。

わざわざ流通網を新設するほどの捕獲量があるわけでもなく、先の「鯨食ラボ」でも「毎日の主要食材として利用していただく程の量はありませんので、差別化メニューや特別食としてお考えください」という言葉があるように、おおっぴらに売ることも出来ず、難しい立場にある「くじら肉」。いっそのこと、たとえば先の「鯨食ラボ」などで限定品として通信販売をした方がいいのではないかと思うのは、素人考えなのだろうか。結構ニーズはあると思うのだが。

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