観測機器や理科教材として欠かせなかった百葉箱(ひゃくようばこ)、お役御免で姿を消す

2006年09月11日 06:30

百葉箱イメージ【四国新聞】の報道によると、かつては全国すべての気象台にあった百葉箱(ひゃくようばこ)が次々と姿を消しているという。役割を自動観測機器に奪われ「気象観測のシンボル」としてだけの存在価値を与えられていたが、それも予算削減のために次々と撤去。今では百葉箱のある気象台は全国でわずか19か所に過ぎないという。

スポンサードリンク

学校の片隅にぽつんと置いてある寂しさ百二十パーセントな哀愁ただよう姿が記憶の片隅にある人も多いだろうが、通気性が良いよろい戸で出来た白い箱製の機器。中には温度計や湿度計などの気象観測用品があり、明治時代から気象観測に使われてきた。木材はヒノキで高さは屋根の最高点までが2.5メートルほど、温度計と湿度計は約1.5メートルの位置に置くというのが気象庁の企画。学校、特に小学校では1953年に理科教育振興法が施行されてから、文部省の奨励もあり、全国の教育機関におかれるようにもなった。

気象庁では自動観測機器の普及に伴い、1993年1月には百葉箱での観測を全廃している。ただ気象観測のシンボルとして百葉箱は残され、予算はつかないものの職員のボランティアでその多くが残され、補修や維持、管理が行われてきた。しかし老朽化の波が押し寄せ、数は漸減しているという。

二宮金次郎のように「かつて気象観測を支えてきた百葉箱の銅像を立てろ」という無茶なことは主張しない。が、せめて都道府県ごとにひとつずつくらいは百葉箱を記念として、あるいは理科教材・気象観測の歴史を知るための資料として永久保存、あるいは新規に作っても良いのではないだろうか。「古きを訪ねて新しきを知る」という言葉もあるのだから。

Related Posts Plugin for WordPress, Blogger...

スポンサードリンク



 


 
(C)JGNN||このサイトについて|サイトマップ|お問い合わせ