投資一任のラップ口座、銀行や保険会社に販売解禁の動き

2006年09月01日 12:10

ラップイメージ【NIKKEI NeT】によると【金融庁】では、運用方針に従って資金運用や口座管理を証券会社などに一任して運用してもらう「ラップ口座」について、銀行や保険会社による販売を2007年にも全面的に解禁する検討に入った。営業員による勧誘や銀行の窓口販売を認める方針とのこと。

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「ラップ口座」とは株式や投信など資産運用に関するサービスをまとめて(ラップにして)提供するもの。証券会社側では投資家から集めた資金で株式や投資信託を売買して運用し、さらに資産管理そのものや投資へのアドバイスなども行う。通常の株式取引では手数料は売買ごと、あるいは一日あたりの約定金額で決まるが、ラップ口座の場合は契約資産の残高や運用実績などに応じて決定される。

要は「証券会社へのお任せ度の高い口座」のようなもので、資産の多い人が主な対象。その意味では投資信託と似たようなものだが、投資信託が「不特定多数の投資家から集めたお金でまとめて運用する」のに対し、ラップ口座では「ひとつひとつの口座それぞれが独立して運用される」ところに違いがある。ラップ口座の場合には口座開設者の自由度(たとえば特定銘柄を組み込みたい・避けたいというニーズにも応えてくれる)が高いのも特徴のひとつ。

金融庁では投資顧問業法で定める「投資一任契約」について、銀行や保険会社本体が顧客を勧誘して契約取次ぎができるよう、銀行法と保険業法の関係政省令の改正を目指す。貯蓄されている資金を投資にまわす流れを加速するもの。現在は「顧客の要望があれば」証券会社を紹介することはできるものの、広告や宣伝など積極的な勧誘、契約は禁じられている。

しかしこれの政省令の改正が成れば、利用者は証券会社に足を運ばなくともラップ口座の開設や運用委託が可能となる。また、銀行や保険会社がグループ内の証券会社などと連携して、富裕層などの顧客獲得競争を展開することも予想される。

富裕層向け、とはあるが証券会社では1000万円単位から口座開設を受け付けているところもある。退職金でまとまった現金が手に入った中高年層向けの「投資先の選択肢の一つ」として注目を集めそうだ。また、紹介先に「銀行」があることから、将来民営化される【日本郵政公社】の一分社、「ゆうちょ銀行」も当然対象に含まれることになる。全国に幅広く「支店」を持つ「ゆうちょ銀行」によるラップ口座の販売は、同業他社にとっては投資信託の販売同様に脅威となることだろう。

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