「飲むバイオセンサー」をエルピーダメモリ(6665)と広島大学が文部科学省の支援を受けて研究開発開始

2006年09月18日 18:00

【エルピーダメモリ(6665)】と広島大学は9月13日、半導体チップとセンサーを搭載したカプセル錠剤を飲み込むことで、病気の早期診断、腸内細菌やコレステロール診断を可能とする技術の共同研究・開発で合意に達したと発表した(【リリースページ】)。エルピーダの半導体技術と広島大学のバイオ技術を融合させて研究に取り組む。文部科学省から科学技術振興調整費という形で年間5億~10億円の支援を受けることも決定している。

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今回のエルピーダメモリと広島大学の共同開発は「半導体・バイオ融合集積化技術の構築」事業と銘打ったもので、10年から15年後に次のような研究成果を発揮することを目標としている。

1)医療診断システムであり、バイオセンサーとブレインチップで、飲むバイオセンサーを実現し、情報を無線で収集して、病気の早期診断、腸内細菌、コレステロール診断が、誰でもどこでもできるようにする。
2)環境情報システムであり、植物にナノサイズのセンサーを埋め込むことにより環境有害物質の検出が自然な形態でできるようになるため、安全な環境を実現する。
3)大容量メモリやブレインによってテラビット情報システムを実現。人間以上の性能を持ったブレインはあらゆる分野、特に人間と共存するロボットや自動車の実現に有効となる。


無機質系技術の半導体と有機質系技術のバイオを組み合わせ、どこまで科学技術の飛躍が望めるかという点では非常に興味深い話だ。すでに飲み込むだけで済み、痛くつらい思いをしながらチューブ状の胃カメラを飲み込む必要がないカプセル状の胃カメラは開発されているが、「飲むだけで健康診断ができる病気診断カプセル」など出来ようものなら、まさに「SFのような話」といえる。

とはいえ、10年前に現在のようなインターネット技術の発展が予想できたかというと、そんなことは決してない。そう考えれば10年後に「飲むだけ診断カプセル」をはじめ、両社が取り掛かる今プロジェクトでさまざまな研究成果が産み出される可能性について、夢と希望を持つのも良いだろう。

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