王子製紙のTOB、個人株主に対する「攻勢」強化

2006年08月07日 06:30

株式イメージ【王子製紙(3861)】【北越製紙(3865)】に対して実施している株式の公開買付(敵対的TOB)を阻止しようという動きが業界内で相次いで出来たことを受け、王子製紙側はTOBを成功させるために、北越製紙の企業・大株主だけでなく個人株主にもTOBに応じるよう文書を送って働きかけることになった([このページ(nhk.or.jp)は掲載が終了しています])。

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現在王子製紙が北越製紙との経営統合を目指して行っているTOBについては、【日本製紙グループ(3893)】が大規模な北越製紙株式の取得を行うなどTOBを阻止しようとする具体的な動きをはじめ、同業他社から反対の意思表示や懸念が相次いでいる。このため王子製紙側ではTOBの成功率を少しでも高めるため、大株主への直接訪問で協力を呼びかけるだけでなく、1000株前後の個人株主に対しても経営統合によるメリットを訴える文書を送り、TOBに応じるよう求める事を検討している。

これに伴い王子製紙では、現在3.45%の株式を保有している株主であることからその権利を行使する形で、北越製紙に対して株主名簿の閲覧を商法(会社法)の規定に基づいて7月31日に文書で請求したものの、北越製紙側では「競争関係にある」としてこれを8月4日までに拒否したことも明らかになった([このページ(Sankei Webなど)は掲載が終了しています])。

個人株主を特定できないとなれば、次は不特定多数へのアピールによる「じゅうたん爆撃」、すなわち広告などで訴えかけることになると思われるのだが、その効果は未知数といわざるを得ない。一方、さまざまなアクションを起こすことで世間の注目を集めれば、それだけ告知効果はプラスされるだろう。今後王子製紙がどのように個人株主へのアプローチを図るのか興味深いところではある。


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(最終更新:2013/08/26)

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