東大の研究グループ、オンラインゲームでの教育研究で中間報告

2006年08月31日 06:30

ゲームイメージ【Mainichi INTERACTIVE】によると、【東京大大学院情報学環】の馬場章教授は8月29日、【東京大学ゲーム研究プロジェクト(オンラインゲームの教育目的利用のための研究)】についての中間報告を行った。【コーエー(9654)】のオンラインゲーム『大航海時代オンライン』などを使ったところ、一定の効果がみられたという。

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実験は香川県の詫間電波工業高等専門学校とコーエーの協力を得て7月に実施。クラス毎に「ゲームを使わない普通の歴史の授業」「ゲームを使うだけの授業」「ゲームと課題を組み合わせた歴史の授業」の3つの方法に分けて50分授業を4回実施。実験前と実験後にアンケートを取る方式で行われた。

その結果、ゲームと課題を組み合わせたクラスは「ゲームを使うと授業への理解や関心が高まるか」という質問に対しては9割ほどの生徒が肯定したという。一方「ゲームを使うだけ」のクラスでは肯定派は6割に留まった。またITの活用能力が高い生徒ほど、歴史の知識が増えるなどの効果も見られたという。

コーエーが得意分野としている歴史モノをはじめとするシミュレーションゲームを用いて学習への興味関心を高める方法は、「あそびとまなび」を両立できる可能性として注目すべき話といえる。人間だれだって自分から積極的に取り組みたいものへの吸収度は、いやいやながらするものと比べればはるかに高いはず。「楽しく学ぶ」というスタイルがいかに優れているかは『東北大学未来科学技術共同研究センター川島隆太教授監修 もっと脳を鍛える大人のDSトレーニング』のセールスがすでに証明している。

しかし一方で、単に「ゲームみたいな画面でパソコンやゲーム機上で勉強させれば良いや」という、多くの教育系ソフトにあるようなおざなりなものでは誰も関心を寄せないのは事実。ゲームメーカーからすればこの分野へ注力する場合には「いかにゲームとしての面白さを残しつつ学習機能を付け加えるか」という、ゲームと学習のバランス調整が求められることになるだろう。


(最終更新:2013/09/16)

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