【更新】「メンタルヘルス検定」に申し込み殺到、企業が抱える「心の悩み」を反映か

2006年08月29日 12:30

時節イメージ[産経新聞]が報じたところによると、【大阪商工会議所】が全国レベルではじめて実施するメンタルヘルス・マネジメント検定試験の申し込みが個人や企業単位で1700人を超え、予想を上回る反響に当事者側も驚いているようすだ。

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この試験は企業の従業員や管理職が「心の病」に対処できる知識・能力を高めるための啓蒙的なもので、今回開催される第一回試験は10月8日に、大阪・東京など全国5会場で行われる。今試験で用いられるテキストも増刷され、心の健康に対する関心の高さを示しているという。上記サイトでは試験そのものを次のように定義・説明している。

働く人たちの「心の健康管理(メンタルヘルス・マネジメント)」への関心が高まっています。成果主義の導入、人員削減による労働負担の増大など、労働者を取り巻く環境はストレスを増長させやすいものとなり、心の病による休職や離職、自殺の増加が深刻な社会問題となっているからです。心の病を予防するには、個々人が正しい知識を携えて自他のストレスに対処することがきわめて重要です。また、雇用する企業においても、社会的責任の履行、人的資源の活性化、労働生産性の維持・向上のためには、メンタルヘルス対策を適正に講じる必要があります。


同検定試験は、精神医学や臨床心理学にとどまらず、産業・組織心理学、労働法学などの幅広い分野から構築。4月施行の改正労働安全衛生法や、厚生労働省の指針などにも対応している。受験希望者を対象にセミナーも開かれる。

試験のカテゴリは次の3種。

[I種:マスターコース]
人事労務担当・管理者、経営幹部が対象。自社の人事戦略・方針を踏まえたうえで、メンタルヘルスケア計画、産業保健スタッフや他の専門機関との連携、社員への教育・研修等に関する企画・立案・実施ができる。
[II種:ラインケアコース]
管理職・管理監督者が対象。部下が不調に陥らないよう普段から配慮するとともに、部下に不調が見受けられた場合には安全配慮義務に則った対応を行うことができる。
[III種:セルフケアコース]
一般社員および新入社員が対象。自らのストレスの状況・状態を把握することにより、不調に早期に気づき、自らケアを行い、必要であれば助けを求めることができる。


精神面・心理学的な面からの企業内におけるサポート、つまり「メンタルヘルス・マネジメント」は、対処に比例した成果が出るわけではなく形(特に数字)にも表れにくく、日本国内では研究が遅れていることもあり、軽視あるいは無視される傾向にあった。しかし前世紀末以降、特に人間関係が難しくなりやすいIT系企業の従業員の間にこの分野での問題が生じるようになって、ようやく注目を集め、対処が行われるようになりつつある。今回の「メンタルヘルス・マネジメント検定試験」への応募者が事務局の想定以上に多いのも、その流れを受けてのものだろう。

人事部門に携わる人、あるいは部下を持つ立場の人は、試験を受けるかどうかはともかく、試験対策用のテキストには目を通しておくべきかもしれない。

(最終更新:2013/09/16)

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